STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第142問

言語学第28回
「景品の旅行券」と同じ機能を持つ「の」はどれか。
  1. 1.田中さんの小説
  2. 2.皆勤賞の田中さん
  3. 3.田中さんの資産
  4. 4.先生の田中さん ✓
  5. 5.田中さんのお父さん

正答:4番

解説
# 第28回 第142問 解説 ■ 正答:4番 — 先生の田中さん 「景品の旅行券」における「の」は、**「景品として与えられた旅行券」という意味の「の」**です。この「の」は「AのB」という形で「BがAである」「BはAの属性を持つ」という**属性・身分を表す用法**で、Bの名詞がAの身分・立場を修飾する関係を示します。同じ機能を持つのは「先生の田中さん」で、「田中さんが先生である(身分)」という意味になります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 田中さんの小説 ❌ 誤り。これは「田中さんが作者である小説」という**所有・作成関係**を表します。「の」は所有格の機能を果たしており、属性を表す「の」ではありません。 2. 皆勤賞の田中さん ❌ 誤り。これは「田中さんが皆勤賞を受けた」という**事柄・受賞の関係**を示す「の」で、「景品の旅行券」の属性用法とは異なります。むしろ因果関係に近い表現です。 3. 田中さんの資産 ❌ 誤り。これは「田中さんが保有している資産」という**所有関係**を表す「の」です。「景品の旅行券」とは異なり、身分や属性ではなく物質的な所有を示しています。 4. 先生の田中さん ✅ 正しい。「先生である田中さん」という意味で、田中さんの**身分・職業を示す属性の「の」**です。「景品の旅行券」の「の」と同じく、修飾名詞が被修飾名詞の属性・身分を示す用法を持っています。 5. 田中さんのお父さん ❌ 誤り。これは「田中さんの父親」という**血縁関係**を表す「の」です。属性用法ではなく、親族関係の所有格として機能しています。 --- 【試験対策ポイント】 「の」の機能は大きく分けると以下のようになります: | 機能 | 構造 | 例 | |---|---|---| | **属性・身分** | 属性のN | 景品の旅行券/先生の田中さん | | **所有格** | 所有者のN | 田中さんの小説/田中さんの資産 | | **親族・部分** | 親族のN | 田中さんのお父さん | | **材料・素材** | 素材のN | 木の机 | | **時間・範囲** | 時間のN | 昨日の試験 | 本問の出題意図は、「の」の多様な機能を区別できるかを問うもので、特に**「属性の『の』」と「所有の『の』」の違い**がポイントです。 「景品の旅行券」では、「旅行券」そのものの属性(=何であるか、どんなものか)を「景品」で説明しており、これは「所有」というより「分類・身分」に近い使い方です。一方「田中さんの小説」「田中さんの資産」は純粋に「だれのものか」という所有関係を示す典型的な所有格です。 **試験頻出の識別ポイント**: - 「AのB」で「BはAという身分/属性を持つ」と読める場合=**属性の『の』** - 「AのB」で「BはAが所有している」と読める場合=**所有格の『の』** - 属性用法では、AがBの**資格・職業・身分・身分**を修飾する点がキーになります
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