第28回 言語聴覚士国家試験 第26問
認知心理学第28回
Baddeley, A. のワーキングメモリーのモデルに含まれるのはどれか。
a.音韻ループ
b.中央実行系
c.知覚表象システム
d.アイコニックメモリー
e.視空間的スケッチパッド
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:2番
解説
# 第28回 第26問 解説
■ 正答:**2番 — a,b,e**(音韻ループ・中央実行系・視空間的スケッチパッド)
Baddeleyのワーキングメモリー(作業記憶)モデルは、情報の一時的保持と操作を担当する認知システムです。このモデルは**中央実行系を中核とし、その配下に2つの補助システムを持つ階層構造**になっています。a(音韻ループ)、b(中央実行系)、e(視空間的スケッチパッド)がモデルの構成要素で、c(知覚表象システム)とd(アイコニックメモリー)は異なる理論または記憶システムです。
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【各選択肢の解説】
**a. 音韻ループ** ✅ 正しい。
言語情報(音韻)を一時的に保持するサブシステムです。音声言語の短期保持を担当し、「音韻カラー効果」(音が似た数字や単語は混同しやすい)や「単語長効果」(短い単語ほど記憶しやすい)で知られています。電話番号を覚えている間、つぶやく行為が音韻ループを活用していますね。
**b. 中央実行系** ✅ 正しい。
ワーキングメモリーの中核を担当し、2つのサブシステムの監視・統制・情報の統合を行います。注意配分、推論、問題解決に関わり、認知負荷が高いタスク(暗算など)で活躍します。容量が限定的(4〜5個の独立した「チャンク」程度)というのが重要な特性です。
**c. 知覚表象システム** ❌ 誤り。
これはPylyshyn(パイリシン)が提唱した視覚認識モデルの概念であり、Baddeleyのワーキングメモリーモデルに含まれません。**作業記憶の理論ではなく視知覚の理論**です。混同しやすい造語ですが、試験では区別が必須です。
**d. アイコニックメモリー** ❌ 誤り。
Sperling(スパーリング)が提唱した「感覚記憶」で、視覚刺激が消失してもごく短時間(約100〜1000ms)残像として脳に保持される現象です。**ワーキングメモリーより前段階の感覚レベルの現象**であり、Baddeleyのモデルに含まれません。
**e. 視空間的スケッチパッド** ✅ 正しい。
視覚・空間情報(形状、位置、運動など)を一時的に保持するサブシステムです。心的回転課題(「この文字を反転させたら〇に見えるか?」)や運動イメージで活用されます。音韻ループと独立した容量を持ち、視空間ワーキングメモリーテスト(Corsi's block-tapping task)で評価できます。
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【試験対策ポイント】
**Baddeleyの初期モデル(1986)**:
```
┌─── 音韻ループ(言語情報の保持)
中央実行系 ┤
└─── 視空間的スケッチパッド(視覚・空間情報の保持)
```
後に**エピソードバッファ**(複数モダリティの情報統合)が追加されました(2000)。
**記憶システムの層次構造を整理**:
- 感覚記憶(アイコニック・エコイック):数百ms 〜 数秒
- **ワーキングメモリー**:数秒 〜 数十秒(Baddeleyのモデル:a, b, e で構成)
- 長期記憶(エピソード・意味・手続き):任意の期間
**出題頻出の誤答トラップ**:
- 「知