第28回 言語聴覚士国家試験 第25問
認知心理学第28回
誤っている組合せはどれか。
a.月の錯視 - 色の錯覚
b.マガーク効果 - 音韻の錯覚
c.デルブッフの錯視 - 大きさの錯覚
d.シャルパンティエの錯覚 - 重さの錯覚
e.ミュラー・リヤーの錯視 - 線分の傾きの錯覚
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e
この問題は「誤っている組合せ」を選ぶ問題です。aの「月の錯視 - 色の錯覚」は誤りで、月の錯視は大きさの錯覚です。eの「ミュラー・リヤーの錯視 - 線分の傾きの錯覚」も誤りで、ミュラー・リヤー錯視は長さの錯覚です。この2つが誤った組合せであるため、正答は2番(a,e)です。
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【各選択肢の解説】
a. 月の錯視 - 色の錯覚
❌ 誤った組合せ。月の錯視とは、水平線付近の月が天頂にある月よりも大きく見える現象で、大きさの錯覚に分類されます。色の錯覚とは無関係です。正しくは「月の錯視 - 大きさの錯覚」となります。
b. マガーク効果 - 音韻の錯覚
✅ 正しい組合せ。マガーク効果とは、唇の動き(視覚情報)と音声(聴覚情報)が矛盾するとき、知覚される音韻が変化する現象です。例えば「バ」の音に「ガ」の口の動きを重ねると「ダ」と聞こえます。視覚情報が聴覚的な音韻知覚を変えるため、音韻の錯覚と分類できます。
c. デルブッフの錯視 - 大きさの錯覚
✅ 正しい組合せ。デルブッフ錯視は、大きな円の内側にある円が実際より小さく、小さな円の外側にある円が実際より大きく見える現象です。周囲の大きさの対比によって生じる大きさの錯覚の代表例です。
d. シャルパンティエの錯覚 - 重さの錯覚
✅ 正しい組合せ。シャルパンティエの錯覚(大きさ-重さ錯覚)は、同じ重さでも体積が小さい物体の方が重く感じられる現象です。大きな物体は軽いという先入観(予期)と実際の感覚のズレが原因とされており、重さの錯覚の代表例です。
e. ミュラー・リヤーの錯視 - 線分の傾きの錯覚
❌ 誤った組合せ。ミュラー・リヤー錯視は、両端の矢羽の向きが異なる2本の線分を比べたとき、同じ長さでも一方が長く見える現象です。これは線分の長さの錯覚であり、傾きの錯覚ではありません。傾きの錯覚の代表はツェルナー錯視やヘリング錯視です。
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【試験対策ポイント】
錯視・錯覚の種類と代表例を確実に区別しましょう。
| 錯視・錯覚 | 種類 | 覚え方 |
|---|---|---|
| ミュラー・リヤー錯視 | 長さの錯覚 | 矢羽の向きで線の長さが違って見える |
| ツェルナー錯視 | 傾きの錯覚 | 平行線が傾いて見える |
| 月の錯視 | 大きさの錯覚 | 地平線の月が大きく見える |
| デルブッフ錯視 | 大きさの錯覚 | 周囲の円の大きさで内側の円が違って見える |
| シャルパンティエの錯覚 | 重さの錯覚 | 小さいものが重く感じられる |
| マガーク効果 | 音韻の錯覚 | 視覚情報が音韻知覚を変える |
国試頻出の誤答パターン:
- 「ミュラー・リヤー=傾き」と混同しやすい。傾きの錯覚の代表はツェルナー錯視。
- 「月の錯視=色」と誤解しやすい。月の色は大気散乱で変わるが、それは錯視ではない。
- マガーク効果は「視聴覚統合」とも説明されるが、知覚される音韻が変わることから音韻の錯覚と分類される。