第27回 言語聴覚士国家試験 第27問
認知心理学第27回
問題解決の妨げとなるのはどれか。
- 1.洞察
- 2.試行錯誤
- 3.機能的固着 ✓
- 4.アルゴリズム
- 5.手段ー目的分析
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 機能的固着
機能的固着(functional fixedness)は、物体や概念をその通常の用途に限定して考える傾向で、問題解決を妨げる最大の認知的障害です。新しい使い方や視点での応用が困難になり、創造的な問題解決を阻害します。
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【各選択肢の解説】
1. 洞察
✅ 正しい。洞察(insight)は、問題解決の際に「ああ、そうか」と急に解答にたどり着く認知過程です。これは問題解決を促進する肯定的な心理メカニズムであり、妨げではありません。
2. 試行錯誤
✅ 正しい。試行錯誤は、様々な解法を順次試みながら正答を探索する方法です。効率は低いですが、問題解決のための重要な戦略であり、妨げになるものではありません。
3. 機能的固着
❌ 誤り(正答)。机の引き出しをドライバーの代わりに使うといった転用が思いつかず、通常の用途の枠を超えた思考ができない状態です。この認知的固執は問題解決を直接的に妨げる最大の障害です。
4. アルゴリズム
✅ 正しい。アルゴリズムは計算手順や論理的規則に従う確実な解法手段です。段階的かつ体系的に問題解決を導くため、妨げではなく解決の手助けになります。
5. 手段ー目的分析
✅ 正しい。手段ー目的分析(means-ends analysis)は、現在の状態と目標状態の差を認識し、その差を縮めるための手段を探索する問題解決戦略です。これは問題解決を促進する有効な方法です。
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【試験対策ポイント】
問題解決を妨げる認知的現象 vs. 促進する現象
| 項目 | 性質 | 分類 |
|---|---|---|
| 洞察 | 急速な理解・ひらめき | 促進 |
| 試行錯誤 | 複数の解を順次試行 | 促進 |
| 機能的固着 | 通常用途の固定化 | 妨げ |
| アルゴリズム | 体系的・確実な手順 | 促進 |
| 手段ー目的分析 | 段階的な目標達成 | 促進 |
機能的固着の具体例:
・ダンカー「ろうそく問題」:画鋲の箱が容器として機能することに気づかない
・医学生が「聴診器=聞くもの」に固着し、温度検査に使えることを見落とす
・言語聴覚士が「AAC機器=音声出力」に限定し、文字選択での意思疎通を見落とす
頻出紛らわしい点:
「試行錯誤=非効率だから妨げ」という勘違いをしやすい。試行錯誤は確かに効率は低いが、問題解決の有効な方法であり「妨げ」ではないことが重要。