第28回 言語聴覚士国家試験 第70問
言語発達障害学第28回
2歳6か月の男児。ことばの遅れの相談を受けた。評価として適切でないのはどれか。
- 1.新版K式発達検査2020
- 2.PVT-R ✓
- 3.遊びのやりとり
- 4.KIDS 乳幼児発達スケール
- 5.ピープショウ検査
正答:2番
解説
# 第28回 第70問 解説
■ 正答:2番 — **PVT-R**
2歳6か月の児の言語発達遅滞の評価では、発達段階に応じた **総合的・遊び場面での自然な評価** が原則です。PVT-Rは語彙受理検査(受動語彙の命名写真選択)ですが、被検者は音韻判別と写真指差し選択が適切に実行できることが前提条件であり、この月齢・発達段階では実施が困難であるため不適切です。
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【各選択肢の解説】
1. 新版K式発達検査2020
✅ 正しい。乳幼児から学童期までの **認知・言語・社会性の発達を包括的に評価** する標準的な発達検査。2歳6か月児の全領域の発達スクリーニングに適切。
2. **PVT-R(ピーボディ語彙テスト改訂版)**
❌ 誤り。受動語彙を評価する検査ですが、 **正確な写真指差し選択能力が前提** となります。2歳6か月ではまだ指示の理解や選択課題の遂行が安定しておらず、適切な評価が困難。また、言語発達遅滞児が「他者の語を理解できているのか、単に表現が遅れているだけなのか」を区別するには、むしろ自然場面での **応答性受容言語** (人の指示に従う反応)の観察が重要です。
3. 遊びのやりとり
✅ 正しい。2歳6か月児の **言語相互作用・社会性・コミュニケーション意欲** を評価する最重要項目。ターンテーキング・共同注意・物の受け渡し・見立て遊びを観察し、言語発達と密接に関連する遊び認知発達を総合評価できます。
4. KIDS 乳幼児発達スケール
✅ 正しい。乳幼児期(0~6歳)の **発達全領域(運動・社会・言語など)** を親の報告と直接観察により評価。2歳6か月児の総合発達評価の標準検査。
5. ピープショウ検査
✅ 正しい。 **聴覚弁別・聴理解能力** を評価する検査。言語遅滞児の聴覚的処理能力(感音難聴の除外を含む)を簡便に確認でき、2歳以上で実施可能。
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【試験対策ポイント】
**乳幼児言語評価の原則**:
| 評価方法 | 対象月齢 | 測定内容 | 実施環境 |
|---|---|---|---|
| 発達検査(K式・KIDS) | 0~6歳 | 運動・認知・言語・社会性の **包括的** 発達 | 専門施設 |
| 遊び場面観察 | 生後6か月~ | コミュニケーション意欲・相互作用・遊び認知 | **自然場面**(家庭・保育園) |
| 言語サンプル分析 | 1歳~ | 語彙数・音韻・文法・文体(会話分析) | 自然場面 |
| 聴覚検査(ピープショウ・OAE) | 3か月~ | 聴覚感度・弁別 | 専門施設 |
| **語彙検査(PVT-R)** | **3歳6か月以上** | 受動語彙(写真選択) | **正確な選択課題遂行能力が前提** |
**2歳6か月の正常発達マイルストーン**:
- **語彙**:50~100語(個人差大)
- **文法**:2語文~初期3語文。助詞「が」「は」が使われ始める
- **遊び**:見立て遊びの