STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第72問

言語発達障害学第28回
幼児後期の発達段階にある子どもの指導として適切でないのはどれか。
  1. 1.子ども同士の関係では協同遊びを促す。
  2. 2.単語を分解する課題を取り入れる。
  3. 3.集団活動のルールが身につくようにする。
  4. 4.写真を見ながら自己経験を語る。
  5. 5.会話では、相手によって伝え方を調整できるようにする。 ✓

正答:5番

解説
# 第28回 第72問 解説 ■ 正答:5番 — 会話では、相手によって伝え方を調整できるようにする。 幼児後期(4〜6歳)の発達段階では、**語彙拡大・文法獲得・音韻体系の完成・ナラティブスキルの発達**が主な課題です。相手によってコミュニケーション方式を調整する能力(レジスター変化・敬語使用など)は**学童期以降**の発達課題であり、幼児後期にはまだ認知的・社会的に難しい目標とされています。 --- 【各選択肢の解説】 1. 子ども同士の関係では協同遊びを促す。 ✅ 正しい。幼児後期は**協同遊び**(複数の子どもが共通の目的に向かって遊ぶ段階)の発達が中核。友人との相互作用を通じた語用論的スキル獲得が目標です。 2. 単語を分解する課題を取り入れる。 ✅ 正しい。音韻認識(特に音節や音素の意識)は幼児後期から学童初期に発達する**メタ言語能力**です。「りんご」→「り・ん・ご」への分割など、読み書き準備にも欠かせません。 3. 集団活動のルールが身につくようにする。 ✅ 正しい。幼児後期は**社会的スキル**の獲得段階です。集団行動のルール理解・順番待ち・指示理解など、就学準備に重要な課題です。 4. 写真を見ながら自己経験を語る。 ✅ 正しい。**ナラティブスキル**(物語性)の発達が幼児後期の重要課題。実物や写真の刺激により、過去の経験を時系列で語る練習は語彙・文法・談話構成力を総合的に発達させます。 5. 会話では、相手によって伝え方を調整できるようにする。 ❌ 誤り。相手や場面に応じた**伝達方式の柔軟な選択**(両親へは日常語、先生へはより敬語的にするなど)は、**Theory of Mind**(心の理論)の発達が必要です。これは学童期(6〜8歳以降)に発達する高次な認知能力であり、幼児後期には現実的でない指導目標です。 --- 【試験対策ポイント】 **幼児後期の発達段階(4〜6歳)の特徴**: | 発達領域 | 特徴と指導課題 | |---|---| | 語彙 | 1500〜2000語に達する。抽象語や概念語の理解が始まる | | 文法 | 5語以上の複文が可能。時制・助詞がほぼ習得される | | 音韻体系 | 共通語の音声が大部分習得される。音韻認識課題に取り組む段階 | | ナラティブ | 時系列のある物語。自分の経験を順序立てて語る能力 | | 語用論(基礎) | 話題の転換・相手への説明的発話・質問への応答がより適切になる | | 語用論(高次) | **相手・場面への調整は学童期以降の課題**(NG) | **「幼児後期でNGなもの」の典型例**: - 敬語・丁寧語の習得を強要する - **相手別レジスター(話し方の変化)の完全な使い分け** - 複雑な文法概念(受動文・仮定法など)の明示的指導 - 単語の複雑な定義づけ 本問は、**発達段階の適切な理解**と「幼児後期 vs 学童期」の判別が鍵です。相手への柔軟な対応は**Theory of Mind発達以降**の課
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