この章のねらい:社会的認知(他者をどう捉えるか)と感情の理論は、
患者・家族との関係づくり、障害受容や動機づけの支援を理解する枠組みです。情動の諸説(ジェームズ=ランゲ説ほか)は、
臨床心理学とも重なります。国試では
「現象↔提唱者」「バイアスの定義」の組合せが繰り返し問われます。言語理解の認知過程は、
失語症の評価の背景にもなります。
5-1 対人認知と印象形成
他者の印象は、断片的な情報から素早く形づくられます(印象形成=アッシュ)。初頭効果(先に得た情報が印象を強く左右する)が代表的です。
ステレオタイプ
ステレオタイプは、ある集団に対する定型化された認知の枠組みです。特徴を正確に押さえます。
| ステレオタイプの性質 | 正誤 |
| 主に集団を対象として形成される | 正しい |
| 定型化された認知の枠組みである | 正しい |
| 自動的・無意識的に用いられる | 正しい |
| 認知的な経済性を高める(省エネで判断できる) | 正しい |
| 客観的な予測の成立に寄与する | 誤り(むしろ偏った判断を生む) |
ひっかけ:ステレオタイプに関与する要因に含まれ「ない」のはストループ効果(注意の干渉現象)。プライミング・スキーマティック処理・初頭効果・自己成就予言はステレオタイプに関与する。
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この章の続きで扱う内容
- 5-2 対人魅力
- 5-3 態度と認知的不協和・バランス理論
- 5-4 帰属と社会的促進
- 5-5 動機づけ
- 5-6 情動の理論
- 5-7 認知の臨床・発達への展開