第3章|遺伝・血液・全身疾患

対応過去問 6問/難易度 ★★★★☆
📝 このノートはAI編集部が過去問から作成した学習用まとめです。基礎医学領域は専門監修前のため、診断基準・数値・薬剤などの細部は必ず成書・最新ガイドラインで確認してください。
この章のねらい:遺伝・血液・全身疾患は、病理の「基礎知識の総まとめ」です。ここで扱う染色体・遺伝形式小児科学の先天異常・染色体異常や解剖学の発生・細胞、反射の異常(末梢神経か錐体路か)臨床神経学神経系生理学貧血・消化器の病理内科学に直結します。この章では過去問頻出の①染色体と遺伝の基礎 ②遺伝形式と疾患 ③貧血の分類 ④反射と神経障害 ⑤消化器の病理を、引っかけ選択肢を軸に整理します。

3-1 染色体と遺伝の基礎

この単元は「正しいのはどれか」で、染色体の本数・性染色体の組合せ・卵子の染色体が問われます。ヒトの染色体は46本(常染色体22対+性染色体1対=23対)を土台にします。

項目正しい知識
染色体数46本=常染色体22対(44本)+性染色体1対(2本)=23対
性染色体女性はXX/男性はXY
卵子の性染色体女性はXXなので卵子の性染色体はすべてX(精子はXまたはY)
トリソミー染色体が1本多い状態。21トリソミー(ダウン症)など常染色体にも起こる(性染色体異常に限らない)
引っかけの定番:「染色体は42本」(正しくは46本)・「女性はXY」(正しくはXX)・「トリソミーは性染色体異常症」(常染色体にも起こる)はすべて誤り。X連鎖劣性(潜性)遺伝は保因者の母から息子へ発症が伝わるのが典型で、「父親から娘に発症が遺伝する」という記述は誤り(父のX上の変異は娘に渡るが娘は保因者にとどまる)。

3-2 遺伝形式と疾患

ここは「疾患と遺伝形式の組合せで誤っているのはどれか」が定番です。X連鎖(伴性)劣性で男性に多い疾患を軸に、常染色体劣性・優性と区別します。

遺伝形式代表疾患
X連鎖(伴性)劣性血友病A(第VIII因子)・血友病B(第IX因子)・デュシェンヌ型筋ジストロフィー(いずれも男性に多い)
常染色体劣性フェニルケトン尿症(代謝異常)
常染色体優性ハンチントン病
「血友病B=常染色体劣性」は誤り:血友病Bは第IX因子欠乏でX連鎖(伴性)劣性遺伝。血友病A・BはどちらもX連鎖劣性で、常染色体劣性ではない。性別の偏り(男性に多い=X連鎖劣性)と組み合わせて覚えると、混ぜられた誤りを抜きやすい。

3-3 貧血の分類

貧血は「産生の低下」か「破壊の亢進」かで整理します。「誤っている組合せはどれか」では、産生障害である悪性貧血を「破壊亢進」とした組合せが答えです。

機序代表疾患
産生の低下再生不良性貧血(造血幹細胞障害・汎血球減少)・腎性貧血(エリスロポエチン低下)・鉄欠乏性貧血(ヘモグロビン合成障害・最多)・悪性貧血(ビタミンB12欠乏による産生/成熟障害=無効造血)
破壊の亢進溶血性貧血(赤血球が寿命より早く破壊・黄疸を伴いやすい)
「悪性貧血=赤血球破壊の亢進」は誤り:悪性貧血はビタミンB12欠乏による産生(成熟)障害が本態で、巨赤芽球性貧血の一型。破壊が亢進するのは溶血性貧血だけと押さえ、それ以外(再生不良性・腎性・鉄欠乏性・悪性)は産生低下と覚える。

3-4 反射と神経障害

ここは腱反射の変化で障害部位を見分けるのがポイントです。「誤っている組合せはどれか」では、末梢神経障害を「腱反射亢進」とした組合せが答えになります。

障害部位腱反射
末梢神経(下位運動ニューロン)障害低下・消失(反射弓が障害される)
錐体路(上位運動ニューロン)障害亢進(+バビンスキー徴候などの病的反射)
その他の正しい組合せ:脱髄=神経伝導速度低下(跳躍伝導が妨げられる)/炎症=腫脹/頸髄損傷=四肢麻痺/低髄圧=頭痛(起立時に増強)。これらは正しい選択肢として登場する。
「末梢神経障害=腱反射亢進」は誤り:末梢神経障害では反射弓が障害され腱反射は低下・消失する。亢進するのは錐体路障害で、組合せが逆。末梢神経障害=腱反射低下・錐体路障害=腱反射亢進で反射の向きを固定する。

3-5 消化器疾患の病理

消化器は「誤っている組合せはどれか」で、疾患と原因・特徴の組合せが問われます。食道静脈瘤の原因臓器は肝臓(門脈圧亢進)という流れが引っかけどころです。

疾患原因・特徴
食道静脈瘤肝硬変→門脈圧亢進→側副血行路の拡張(破裂で大量吐血・糖尿病が原因ではない)
食道癌扁平上皮癌(日本では多い)
胃潰瘍ヘリコバクター・ピロリ感染が主要因の一つ
潰瘍性大腸炎直腸から連続性・びまん性の炎症
大腸癌腺腫性ポリープからの癌化経路
「食道静脈瘤=糖尿病」は誤り:食道静脈瘤は肝硬変による門脈圧亢進で生じ、原因臓器は肝臓。糖尿病ではない。「疾患と原因の組合せで誤っているもの」を問われたら、原因臓器がずれている組合せ(=食道静脈瘤―糖尿病)を抜く。