PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午前 第72問

人間発達学第44回午前

第44回 理学療法士国家試験 午前 第72問(人間発達学)の正答は 4 です。痙直型両麻痺では下肢、特に股関節内転筋・ハムストリングス・下腿三頭筋の痙縮が強く、立位・歩行時に股関節内転・内旋位をとります。

問題
痙直型両麻痺児の歩行の特徴で正しいのはどれか。
  1. 1. 体幹の動揺は少ない。
  2. 2. 肩関節は内転位になりやすい。
  3. 3. 肘関節は伸展位になりやすい。
  4. 4. 股関節は内転位になりやすい。
  5. 5. 膝関節は伸展位になりやすい。

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 股関節は内転位になりやすい。

痙直型両麻痺では下肢、特に股関節内転筋・ハムストリングス・下腿三頭筋の痙縮が強く、立位・歩行時に股関節内転・内旋位をとります。両膝が擦れ合うはさみ肢位(scissors gait)が特徴で、支持基底面が狭くなり不安定になります。


【各選択肢の解説】

1. 体幹の動揺は少ない。
❌ 誤り。骨盤・体幹の安定性が乏しく下肢の分離運動も困難なため、体幹を大きく振って代償する動揺性の歩行になります。
2. 肩関節は内転位になりやすい。
❌ 誤り。バランスをとるために上肢を挙げて構えるハイガード肢位(肩外転)をとりやすくなります。
3. 肘関節は伸展位になりやすい。
❌ 誤り。上肢も屈筋優位の緊張となり、肘は屈曲位をとりやすくなります。
4. 股関節は内転位になりやすい。
✅ 正しい。内転筋の痙縮によりはさみ肢位となり、内旋も伴います。
5. 膝関節は伸展位になりやすい。
❌ 誤り。ハムストリングスの痙縮と股関節屈曲拘縮により膝屈曲位(crouch gait:しゃがみ肢位歩行)になりやすいのが典型です。

【試験対策ポイント】

痙直型両麻痺(脳性麻痺)の典型的な立位・歩行姿勢は「股関節屈曲・内転・内旋、膝屈曲、足関節底屈(尖足)」です。上肢は緊張を代償するためハイガード肢位(肩外転・肘屈曲)をとります。

  • はさみ肢位:股関節内転筋の痙縮 → 内転筋切離術やボツリヌス療法の対象
  • crouch gait:膝屈曲位での歩行。ハムストリングス短縮と足関節背屈制限が背景
  • 好発背景:脳室周囲白質軟化症(PVL)。未熟児・低出生体重児に多く、下肢の錐体路線維が内側を走るため下肢優位の麻痺になる
  • 知的機能は比較的保たれることが多く、斜視などの視覚障害を合併しやすい
痙直型片麻痺(上肢優位)、痙直型四肢麻痺(上下肢とも重度)との違いも合わせて整理しておきましょう。

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