PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午後 第16問

解剖学第44回午後

第44回 理学療法士国家試験 午後 第16問(解剖学)の正答は 1 です。門脈(肝門脈)は上腸間膜静脈と脾静脈(下腸間膜静脈が合流)が合わさってできる静脈で、消化管・膵臓・脾臓・胆嚢からの静脈血を集めて肝門から肝臓へ流入します。

問題
消化管、膵臓および脾臓からの血液を肝臓内に導く血管はどれか。
  1. 1. 門脈
  2. 2. 肝静脈
  3. 3. 下大静脈
  4. 4. 固有肝動脈
  5. 5. 上腸間膜動脈

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — 門脈

門脈(肝門脈)は上腸間膜静脈と脾静脈(下腸間膜静脈が合流)が合わさってできる静脈で、消化管・膵臓・脾臓・胆嚢からの静脈血を集めて肝門から肝臓へ流入します。栄養素を肝臓で代謝させるために「毛細血管→静脈→毛細血管(類洞)」となる門脈系の構造です。


【各選択肢の解説】

1. 門脈
✅ 正しい。肝臓に入る血管は門脈(血流量の約70~80%)と固有肝動脈(約20~30%)の2本で、そのうち腹部消化器からの血液を運ぶのが門脈です。
2. 肝静脈
❌ 誤り。肝静脈は肝臓から血液を出す血管で、下大静脈に注ぎます。
3. 下大静脈
❌ 誤り。下大静脈は下半身の静脈血を右心房へ戻す本幹で、肝静脈を受け取りますが肝臓へ血液を導く血管ではありません。
4. 固有肝動脈
❌ 誤り。固有肝動脈は腹腔動脈から総肝動脈を経て分岐し、肝臓に酸素を供給する動脈です。消化管からの血液ではありません。
5. 上腸間膜動脈
❌ 誤り。上腸間膜動脈は腹部大動脈から分岐し、小腸・上行結腸・横行結腸へ動脈血を送る血管です。ここからの静脈血を集めた上腸間膜「静脈」が門脈の主要な根になります。

【試験対策ポイント】

門脈系は動脈と静脈で名前が似ており取り違えが多い分野です。血流の向きで整理します。

血管向き内容
門脈肝臓へ入る消化管・膵臓・脾臓からの栄養に富む静脈血
固有肝動脈肝臓へ入る酸素に富む動脈血
肝静脈肝臓から出る下大静脈へ注ぐ

門脈圧亢進症(肝硬変など)では側副血行路が発達し、食道静脈瘤・腹壁静脈怒張(メドゥーサの頭)・痔核が生じます。臨床でよく問われるので門脈の解剖と併せて覚えておきます。

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