PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午後 第95問

臨床心理学第44回午後

第44回 理学療法士国家試験 午後 第95問(臨床心理学)の正答は 1・4 です。アルコールを急激に断つと、抑制されていた中枢神経が反跳性に過剰興奮し、離脱症状が出現します。

問題
アルコール依存症患者が急激に断酒したときに起こりやすいのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. せん妄 ✓
  2. 2. 躁状態
  3. 3. 嫉妬妄想
  4. 4. けいれん発作 ✓
  5. 5. 被害関係妄想

正答:1・4番

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解説
■ 正答:1・4番 — せん妄/けいれん発作

アルコールを急激に断つと、抑制されていた中枢神経が反跳性に過剰興奮し、離脱症状が出現します。代表が振戦せん妄と離脱けいれんです。


【各選択肢の解説】

1. せん妄
✅ 正しい。断酒後72〜96時間をピークに振戦せん妄が出現します。意識混濁・粗大な振戦・発汗・頻脈・小動物幻視を伴い、脱水や電解質異常を合併すると生命に関わります。
2. 躁状態
❌ 誤り。気分の高揚・多弁・活動性亢進が持続する状態で、双極性障害の症状です。アルコール離脱の典型症状ではありません。
3. 嫉妬妄想
❌ 誤り。配偶者の不貞を確信する妄想で、アルコール依存症の慢性期(飲酒を続けている経過中)にみられるもので、断酒直後の離脱症状ではありません。
4. けいれん発作
✅ 正しい。断酒後およそ12〜48時間に全般性強直間代発作として出現します。離脱症状の中では比較的早期に現れます。
5. 被害関係妄想
❌ 誤り。統合失調症に代表される症状です。アルコール幻覚症では幻聴が主体で、断酒直後の代表的離脱症状としては挙げられません。

【試験対策ポイント】

アルコール離脱症状は時間経過で整理するのが定石です。

時期症状
6〜12時間手指振戦・発汗・不眠・不安(早期離脱)
12〜48時間離脱けいれん(全般性強直間代発作)
24〜72時間アルコール幻覚症(幻聴が主)
72〜96時間振戦せん妄(意識障害・小動物幻視・自律神経症状)

治療はベンゾジアゼピン系薬とビタミンB1補給、輸液です。作業療法・理学療法では、離脱期を過ぎた回復期に断酒会などの自助グループ参加、生活リズムの再建、作業を通じた自己効力感の回復を支援します。慢性期の合併症としてWernicke-Korsakoff症候群、小脳変性による失調、末梢神経障害も押さえておきましょう。

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