PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午前 第83問

リハビリテーション医学第45回午前

第45回 理学療法士国家試験 午前 第83問(リハビリテーション医学)の正答は 2 です。この問題は障害受容の心理過程に「含まれないもの(誤っているもの)」を選ぶ設問です。

問題
障害受容に至る心理状態で誤っているのはどれか。
  1. 1. 否定
  2. 2. 保続
  3. 3. 後悔
  4. 4. 悲嘆
  5. 5. 葛藤

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 「保続」

この問題は障害受容の心理過程に「含まれないもの(誤っているもの)」を選ぶ設問です。保続は同じ言葉や動作が繰り返し出てしまう高次脳機能障害の症状であり、心理状態を表す用語ではありません。


【各選択肢の解説】

1. 否定
✅ 正しい。障害を認めようとしない否認(否定)は、ショック期に続く典型的な段階です。
2. 保続
❌ 誤り。前頭葉損傷などでみられる、直前の反応が不適切に繰り返される症状であり、障害受容の心理過程には含まれません。これが正答です。
3. 後悔
✅ 正しい。「あのときこうしていれば」という後悔は、混乱期にみられる心理です。
4. 悲嘆
✅ 正しい。喪失に対する悲しみで、混乱期の中心的な感情です。
5. 葛藤
✅ 正しい。障害を認めたくない気持ちと現実との間で揺れる状態で、努力期に向かう過程でみられます。

【試験対策ポイント】

障害受容の代表的な段階説(上田敏)はショック期 → 否認期 → 混乱期(怒り・悲嘆・抑うつ) → 解決への努力期 → 受容期の5段階です。Kubler-Rossの死の受容過程(否認 → 怒り → 取り引き → 抑うつ → 受容)と混同しやすいので、どちらを問われているか確認しましょう。臨床上の注意点として、①段階は一直線に進むとは限らず行きつ戻りつする、②否認期に無理に現実を突きつけない、③混乱期の怒りが医療者に向くのは正常な反応、④受容は「あきらめ」ではなく価値観の転換(価値の範囲の拡大・障害の与える影響の制限)である、という4点が問われやすいです。保続・失行・失認といった高次脳機能障害の用語を心理過程の選択肢に紛れ込ませるのは定番の引っかけです。

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