PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午後 第95問

リハビリテーション医学第49回午後

第49回 理学療法士国家試験 午後 第95問(リハビリテーション医学)の正答は 4 です。咽頭機能に左右差がある場合、麻痺側(機能の悪い側)に頸部を回旋すると、その側の梨状窩が狭くなって食塊が健側を通過しやすくなります。

問題
嚥下障害の病態と用いられる介入の組合せで正しいのはどれか。
  1. 1. 口腔期障害 ―― 粘性の高い食物
  2. 2. 鼻咽腔閉鎖不全 ―― Shaker(シャキア)法
  3. 3. 喉頭挙上筋筋力低下 ―― 間欠的バルーン拡張法
  4. 4. 咽頭機能の左右差 ―― 頸部回旋
  5. 5. 輪状咽頭筋弛緩不全 ―― 軟口蓋挙上装置

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 咽頭機能の左右差 ―― 頸部回旋

咽頭機能に左右差がある場合、麻痺側(機能の悪い側)に頸部を回旋すると、その側の梨状窩が狭くなって食塊が健側を通過しやすくなります。これが頸部回旋(横向き嚥下)で、組合せとして正しいのは4だけです。


【各選択肢の解説】

1. 口腔期障害 ―― 粘性の高い食物
❌ 誤り。口腔期障害では舌による食塊形成・送り込みが困難になるため、粘性が高く付着性のある食物はかえって口腔内に残留します。適するのはまとまりがよく付着性の低いゼリー状・プリン状の食品です。
2. 鼻咽腔閉鎖不全 ―― Shaker(シャキア)法
❌ 誤り。Shaker法は仰臥位で頭部を挙上して舌骨上筋群を鍛える訓練で、喉頭挙上と食道入口部の開大を目的とします。鼻咽腔閉鎖不全にはブローイング訓練や軟口蓋挙上装置(PLP)が用いられます。
3. 喉頭挙上筋筋力低下 ―― 間欠的バルーン拡張法
❌ 誤り。バルーン拡張法は食道入口部(輪状咽頭筋部)の狭窄・弛緩不全に対して行う手技です。喉頭挙上筋の筋力低下にはShaker法・メンデルソン手技・嚥下おでこ体操が適応となります。
4. 咽頭機能の左右差 ―― 頸部回旋
✅ 正しい。患側へ頸部を回旋すると患側梨状窩が閉鎖され、食塊が健側の咽頭を通るため誤嚥・残留が減ります。VF/VEで左右差を確認して適用します。
5. 輪状咽頭筋弛緩不全 ―― 軟口蓋挙上装置
❌ 誤り。軟口蓋挙上装置(PLP)は鼻咽腔閉鎖不全に用いる装置です。輪状咽頭筋弛緩不全にはバルーン拡張法・Shaker法・メンデルソン手技、難治例では輪状咽頭筋切断術が行われます。

【試験対策ポイント】

嚥下障害の病態と対応の対応表は、丸ごと覚えて得点にしてしまいましょう。

病態代表的な介入
口腔期障害(食塊形成・送り込み不良)舌訓練・付着性の低いゼリー食・一口量の調整
鼻咽腔閉鎖不全(鼻咽腔逆流)ブローイング訓練・軟口蓋挙上装置(PLP)
喉頭挙上不全・食道入口部開大不全Shaker法・メンデルソン手技・バルーン拡張法
咽頭機能の左右差頸部回旋(患側へ回旋)・一側嚥下
嚥下反射惹起遅延冷圧刺激(アイスマッサージ)・K-point刺激
誤嚥のリスク一般頸部前屈位(顎引き嚥下)・交互嚥下・複数回嚥下・とろみ付与

代償法の基本姿勢はリクライニング位+頸部前屈。頸部伸展位は気道が直線化して誤嚥しやすいため禁忌に近い姿勢です。この「前屈が良い・伸展が悪い」も頻出の一問一答ポイントです。

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