PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午前 第90問

臨床心理学第45回午前

第45回 理学療法士国家試験 午前 第90問(臨床心理学)の正答は 3 です。手指の形の模倣ができないのは観念運動失行を示す所見です。

問題
優位半球損傷に特徴的な症状はどれか。
  1. 1. 検者が示した指先への注視運動ができずに視点も定まらない。
  2. 2. 損傷した脳の反対側から呼びかけても顔面を向けられない。
  3. 3. 検者が出したジャンケンのチョキの模倣動作ができない。
  4. 4. 裏返しになった衣服を正しく着ることができない。
  5. 5. 閉眼したまま提舌を20秒以上持続できない。

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 「検者が出したジャンケンのチョキの模倣動作ができない。」

手指の形の模倣ができないのは観念運動失行を示す所見です。失行は優位半球(大多数の人で左半球)の頭頂葉・縁上回などの損傷で生じ、麻痺のない側も含めて両手に出現するのが特徴です。


【各選択肢の解説】

1. 検者が示した指先への注視運動ができずに視点も定まらない。
❌ 誤り。精神性注視麻痺で、視覚性失調・視覚性注意障害と合わせてBalint症候群を構成し、両側の頭頂後頭葉損傷で生じます。
2. 損傷した脳の反対側から呼びかけても顔面を向けられない。
❌ 誤り。半側空間無視の所見で、劣位半球(右半球)頭頂葉損傷で圧倒的に多くみられます。
3. 検者が出したジャンケンのチョキの模倣動作ができない。
✅ 正しい。観念運動失行であり、優位半球損傷に特徴的です。
4. 裏返しになった衣服を正しく着ることができない。
❌ 誤り。着衣障害(着衣失行)で、劣位半球(右半球)頭頂葉損傷でみられます。
5. 閉眼したまま提舌を20秒以上持続できない。
❌ 誤り。運動維持困難(motor impersistence)で、右半球損傷に多い症状です。

【試験対策ポイント】

半球ごとの症状の割り振りは毎年問われます。優位半球(左)=失語、失行(観念失行・観念運動失行)、Gerstmann症候群(手指失認・左右失認・失書・失算)、失読・失書。劣位半球(右)=半側空間無視、着衣障害、地誌的障害(道に迷う)、病態失認、構成障害、運動維持困難、感情の平板化・病識低下。「衣服を着られない=右半球、まねができない=左半球」と対で覚えると本問のような紛らわしい選択肢に強くなります。失行の検査は「バイバイをする」「歯を磨くまねをする」といったパントマイム・模倣課題で行い、麻痺・失調・理解障害では説明できない行為の障害であることを確認します。

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