第45回 理学療法士国家試験 午前 第89問
内科学・臨床医学第45回午前
第45回 理学療法士国家試験 午前 第89問(内科学・臨床医学)の正答は 2・3 です。熱傷では顔面・手・足・会陰部とともに関節部位が特殊部位とされ、機能障害を残しやすいため面積が小さくても重症として扱われます。
問題
熱傷で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1. Ⅲ度熱傷は真皮層までの損傷をいう。
- 2. 四肢関節部位は特殊部位と呼ばれる。 ✓
- 3. 瘢痕形成の予防として圧迫と伸張とが用いられる。 ✓
- 4. 手の熱傷では手内筋プラスポジションとなりやすい。
- 5. 小児の熱傷面積を算出する場合は9の法則を用いる。
正答:2・3番
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解説
■ 正答:2・3番 — 「四肢関節部位は特殊部位と呼ばれる。」「瘢痕形成の予防として圧迫と伸張とが用いられる。」
熱傷では顔面・手・足・会陰部とともに関節部位が特殊部位とされ、機能障害を残しやすいため面積が小さくても重症として扱われます。瘢痕拘縮・肥厚性瘢痕の予防には圧迫療法(弾性包帯・圧迫用ガーメント)とストレッチ(伸張)が用いられます。
【各選択肢の解説】
1. Ⅲ度熱傷は真皮層までの損傷をいう。
❌ 誤り。Ⅲ度は皮膚全層(真皮を越え皮下組織に及ぶ)の損傷です。真皮までの損傷はⅡ度(浅達性SDB・深達性DDB)です。
❌ 誤り。Ⅲ度は皮膚全層(真皮を越え皮下組織に及ぶ)の損傷です。真皮までの損傷はⅡ度(浅達性SDB・深達性DDB)です。
2. 四肢関節部位は特殊部位と呼ばれる。
✅ 正しい。顔面・手・足・会陰部・関節部は特殊部位とされ、Artzの基準でも重症熱傷に分類されます。
✅ 正しい。顔面・手・足・会陰部・関節部は特殊部位とされ、Artzの基準でも重症熱傷に分類されます。
3. 瘢痕形成の予防として圧迫と伸張とが用いられる。
✅ 正しい。上皮化後も肥厚性瘢痕は数か月〜1年以上進行するため、圧迫とストレッチを継続します。
✅ 正しい。上皮化後も肥厚性瘢痕は数か月〜1年以上進行するため、圧迫とストレッチを継続します。
4. 手の熱傷では手内筋プラスポジションとなりやすい。
❌ 誤り。手背の熱傷ではMP伸展・IP屈曲・母指内転(内在筋マイナス肢位=鉤爪変形)の拘縮が生じやすくなります。予防のため良肢位として内在筋プラス肢位(MP屈曲70〜90度・IP伸展・母指外転)で固定します。
❌ 誤り。手背の熱傷ではMP伸展・IP屈曲・母指内転(内在筋マイナス肢位=鉤爪変形)の拘縮が生じやすくなります。予防のため良肢位として内在筋プラス肢位(MP屈曲70〜90度・IP伸展・母指外転)で固定します。
5. 小児の熱傷面積を算出する場合は9の法則を用いる。
❌ 誤り。9の法則は成人用です。小児では頭部が大きく下肢が小さいため5の法則、より正確にはLund-Browderの公式(年齢別換算表)を用います。
❌ 誤り。9の法則は成人用です。小児では頭部が大きく下肢が小さいため5の法則、より正確にはLund-Browderの公式(年齢別換算表)を用います。
【試験対策ポイント】
深達度はⅠ度=表皮(発赤・疼痛あり・瘢痕なし)/浅達性Ⅱ度=真皮浅層(水疱・強い疼痛・瘢痕を残さず治癒)/深達性Ⅱ度=真皮深層(水疱・知覚鈍麻・瘢痕を残す)/Ⅲ度=皮膚全層(白色〜褐色の壊死・無痛・植皮が必要)。面積は成人が9の法則、小児が5の法則、狭い範囲は手掌法(患者の手掌が体表の約1%)。理学療法は良肢位保持(頸部は伸展、肩は外転90度、肘伸展、手は内在筋プラス肢位、股は伸展・軽度外転、足関節は0度)と早期からの関節可動域運動・圧迫療法が中心で、拘縮は「熱傷部位が縮む方向と逆に伸ばす」のが原則です。
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