PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午前 第98問

臨床心理学第45回午前

第45回 理学療法士国家試験 午前 第98問(臨床心理学)の正答は 2・3 です。アルコール離脱せん妄(振戦せん妄)は、大量常用者が断酒して48〜72時間後にピークとなる意識障害です。

問題
アルコール離脱せん妄でみられるのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 作話
  2. 2. 幻覚
  3. 3. 振戦
  4. 4. 嫉妬妄想
  5. 5. 動眼神経麻痺

正答:2・3番

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解説
■ 正答:2・3番 — 「幻覚」「振戦」

アルコール離脱せん妄(振戦せん妄)は、大量常用者が断酒して48〜72時間後にピークとなる意識障害です。粗大な振戦と、小動物や虫が見えるといった幻視を中心とした幻覚、著しい興奮・不眠・発汗・頻脈・発熱などの自律神経症状を伴います。


【各選択肢の解説】

1. 作話
❌ 誤り。作話は記銘力障害を埋め合わせるように出現する症状で、Korsakoff症候群(健忘・失見当識・作話の三徴)の特徴です。
2. 幻覚
✅ 正しい。小動物幻視(虫や小さな動物が見える)が典型で、幻聴より幻視が優位である点が特徴です。
3. 振戦
✅ 正しい。手指や全身の粗大な振戦がみられ、「振戦せん妄」の名の由来となっています。
4. 嫉妬妄想
❌ 誤り。アルコール依存症の慢性期にみられる妄想(アルコール性嫉妬妄想)で、意識清明下で持続します。離脱せん妄の症状ではありません。
5. 動眼神経麻痺
❌ 誤り。外眼筋麻痺はWernicke脳症(ビタミンB1欠乏)の三徴(意識障害・眼球運動障害・失調)の一つです。

【試験対策ポイント】

アルコール関連の病態は「いつ・何が」で切り分けます。離脱早期(断酒6〜48時間)=手指振戦・発汗・不安・けいれん発作。離脱せん妄(48〜72時間でピーク、数日持続)=意識混濁+小動物幻視+粗大振戦+自律神経亢進。Wernicke脳症(ビタミンB1欠乏・急性)=意識障害・眼球運動障害・小脳失調 → ビタミンB1投与が必要。Korsakoff症候群(慢性・後遺)=健忘・失見当識・作話。慢性期の精神症状=アルコール幻覚症(意識清明で幻聴)・嫉妬妄想。離脱せん妄は死亡例もある救急病態で、脱水・電解質異常の補正とベンゾジアゼピン系薬による鎮静が治療の中心です。リハビリテーション場面では意識障害の変動(夜間増悪=夜間せん妄)に注意し、無理な離床は避けます。

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