第46回 理学療法士国家試験 午前 第5問
理学療法評価学第46回午前
第46回 理学療法士国家試験 午前 第5問(理学療法評価学)の正答は 3 です。膝関節屈曲位で膝前面(脛骨粗面付近)を強打する受傷機転は、脛骨を後方へ押し込む「ダッシュボード損傷」型で、後十字靱帯(PCL)損傷の典型である。
問題
28歳の男性。野球のスライディングの際に右膝関節屈曲位で膝前面を強打し、疼痛が強く歩行不能になったため救急外来を受診した。治療開始から2週後のMRI(別冊No. 1A、B)を別に示す。
この患者で陽性となるのはどれか。
- 1. アプリヘンジョンサイン
- 2. 外反ストレステスト
- 3. 後方引き出し徴候 ✓
- 4. Lachmanテスト
- 5. Jerkテスト
正答:3番
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解説
■ 正答:3番 — 後方引き出し徴候
膝関節屈曲位で膝前面(脛骨粗面付近)を強打する受傷機転は、脛骨を後方へ押し込む「ダッシュボード損傷」型で、後十字靱帯(PCL)損傷の典型である。矢状断MRIでも、脛骨後方から大腿骨内側顆へ弓状に走るはずの低信号帯(PCL)が連続性を失い、同部に高信号(出血・浮腫)を認める。PCL損傷では脛骨の後方移動を制動できないため、後方引き出し徴候が陽性となる。
【各選択肢の解説】
1. アプリヘンジョンサイン
❌ 誤り。膝蓋骨を外方へ押したときの脱臼不安感をみる検査で、反復性膝蓋骨脱臼の所見である(肩関節前方不安定症にも同名の検査がある)。
❌ 誤り。膝蓋骨を外方へ押したときの脱臼不安感をみる検査で、反復性膝蓋骨脱臼の所見である(肩関節前方不安定症にも同名の検査がある)。
2. 外反ストレステスト
❌ 誤り。膝に外反力を加えて内側関節裂隙の開大をみる検査で、内側側副靱帯(MCL)損傷で陽性となる。受傷機転は膝外側からの外力である。
❌ 誤り。膝に外反力を加えて内側関節裂隙の開大をみる検査で、内側側副靱帯(MCL)損傷で陽性となる。受傷機転は膝外側からの外力である。
3. 後方引き出し徴候
✅ 正しい。膝屈曲90°で脛骨を後方に押し、後方移動の増大をみる検査で、PCL損傷で陽性となる。本例の受傷機転およびMRI所見と一致する。
✅ 正しい。膝屈曲90°で脛骨を後方に押し、後方移動の増大をみる検査で、PCL損傷で陽性となる。本例の受傷機転およびMRI所見と一致する。
4. Lachmanテスト
❌ 誤り。膝屈曲20〜30°で脛骨を前方に引く検査で、前十字靱帯(ACL)損傷に対して最も感度が高い。
❌ 誤り。膝屈曲20〜30°で脛骨を前方に引く検査で、前十字靱帯(ACL)損傷に対して最も感度が高い。
5. Jerkテスト
❌ 誤り。pivot shift系の検査で、ACL損傷による前外側回旋不安定性を検出する。
❌ 誤り。pivot shift系の検査で、ACL損傷による前外側回旋不安定性を検出する。
【試験対策ポイント】
| 損傷部位 | 代表的な受傷機転 | 陽性となる検査 |
|---|---|---|
| 前十字靱帯(ACL) | 非接触の急停止・方向転換、外反+下腿外旋 | Lachmanテスト、前方引き出し、pivot shift(Jerkテスト) |
| 後十字靱帯(PCL) | 膝屈曲位で脛骨前面を強打(ダッシュボード損傷) | 後方引き出し徴候、sagging sign |
| 内側側副靱帯(MCL) | 膝外側からの外力(外反強制) | 外反ストレステスト |
| 外側側副靱帯(LCL) | 膝内側からの外力(内反強制) | 内反ストレステスト |
| 半月板 | 荷重位での回旋 | McMurrayテスト、Apleyテスト |
・PCL損傷ではsagging sign(背臥位で膝を90°屈曲させると脛骨粗面が後方に落ち込む)も重要な所見。
・PCLはACLの約2倍の強度をもち、単独損傷では保存療法が選択されることも多い。
・受傷機転から靱帯を推定させる問題が頻出。「膝前面を打った=PCL」「捻った・膝崩れ=ACL」で第一歩を切る。
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