PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午前 第6問

整形外科疾患理学療法第46回午前

第46回 理学療法士国家試験 午前 第6問(整形外科疾患理学療法)の正答は 4 です。膝屈曲位で脛骨前面(膝前面)を強打した受傷機転は後十字靱帯(PCL)損傷の典型です。

問題
28歳の男性。野球のスライディングの際に右膝関節屈曲位で膝前面を強打し、疼痛が強く歩行不能になったため救急外来を受診した。治療開始から2週後のMRI(別冊No. 1A、B)を別に示す。 治療開始から3週後。疼痛は軽減したが筋萎縮が残存している。 この患者に行うべき筋力訓練で誤っているのはどれか。 ただし、図の矢印は運動の方向を示している。
第46回午前第6問 図
  1. 1. 図1
  2. 2. 図2
  3. 3. 図3
  4. 4. 図4
  5. 5. 図5

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 図4

膝屈曲位で脛骨前面(膝前面)を強打した受傷機転は後十字靱帯(PCL)損傷の典型です。ハムストリングスは脛骨を後方へ引くため、PCL損傷では抵抗をかけた膝屈曲運動が最も避けるべき運動です。図4はまさに腹臥位での抵抗下膝屈曲であり、誤りです。


【各選択肢の解説】

1. 図1
✅ 正しい。図1は背臥位で下腿遠位(足関節部)に掛けたベルトを下方(矢印↓)へ押し下げる運動で、膝伸展方向へ働く大腿四頭筋の等尺性収縮。抵抗が足関節遠位に掛かり脛骨近位を後方へ押さないため、PCL損傷でも安全に行えます。
2. 図2
✅ 正しい。図2は膝を伸ばしたまま下肢を挙上する(矢印↑)下肢伸展挙上(SLR)。大腿四頭筋を膝関節を動かさずに賦活でき、筋萎縮対策の基本種目です。
3. 図3
✅ 正しい。図3は端座位でゴムバンドを足関節に掛け、抵抗に抗して膝を伸ばす(矢印↑前方)抵抗下の膝伸展運動。大腿四頭筋の収縮は脛骨を前方へ引くため、後方不安定性のあるPCL損傷ではむしろ推奨されます。
4. 図4
❌ 誤り。図4は腹臥位で膝を約90度屈曲し、足関節に掛けたバンドの抵抗に抗して踵を殿部へ引く(矢印)抵抗下の膝屈曲=ハムストリングス運動。ハムストリングスの収縮は脛骨を後方へ引き、損傷したPCLに直接ストレスを加えるため、この時期には行ってはいけません。
5. 図5
✅ 正しい。図5は台に手をついた立位で踵を挙上する(矢印↑)ヒールレイズ。荷重位(閉鎖運動連鎖)での下腿三頭筋運動で、脛骨の後方移動を助長せず廃用予防に有用です。

【試験対策ポイント】

膝靱帯損傷のリハビリは「どちらの筋が脛骨をどちらへ引くか」で禁忌が決まります。

損傷靱帯禁忌になりやすい運動積極的に行う運動
前十字靱帯(ACL)抵抗下の膝伸展(特に伸展終末域のOKC)ハムストリングス強化・CKC運動
後十字靱帯(PCL)抵抗下の膝屈曲(ハムストリングス)大腿四頭筋強化(等尺性・SLR・膝伸展)

大腿四頭筋は脛骨を前方へ、ハムストリングスは脛骨を後方へ引く——この1行を覚えておけばACL・PCLどちらを問われても対応できます。ダッシュボード損傷(膝屈曲位で脛骨前面を強打)=PCLも頻出です。

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ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、理学療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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