PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午後 第60問

解剖学第46回午後

第46回 理学療法士国家試験 午後 第60問(解剖学)の正答は 3 です。図は手根管の横断模式図です。

問題
手根管の模式図を示す。解剖で正しいのはどれか。
第46回午後第60問 図
  1. 1. 尺骨神経
  2. 2. 尺骨動脈
  3. 3. 正中神経
  4. 4. 長母指屈筋腱
  5. 5. 有頭骨

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 正中神経

図は手根管の横断模式図です。上方(掌側)を斜線で示された帯が屈筋支帯(横手根靱帯)、その深部に浅指屈筋腱・深指屈筋腱の束、下方に点描された手根骨が並んでいます。3が指しているのは屈筋支帯のすぐ直下、腱束の掌側やや橈側にある神経束状に描かれた構造=正中神経です。手根管内で最も浅い(掌側)位置にあるため圧迫を受けやすい配置になっています。


【各選択肢の解説】

1. 尺骨神経
❌ 誤り。1は手根管の橈側縁、大菱形骨の溝と屈筋支帯の間を通る橈側手根屈筋腱です。尺骨神経は手根管内を通りません。
2. 尺骨動脈
❌ 誤り。2は手根管内で最も橈側に位置する長母指屈筋腱です。尺骨動脈は図の反対側(尺側)で、屈筋支帯の浅層に輪状の構造として描かれています。
3. 正中神経
✅ 正しい。屈筋支帯の直下、屈筋腱群の掌側にある神経束構造で、手根管症候群で絞扼される神経です。
4. 長母指屈筋腱
❌ 誤り。4は屈筋支帯の浅層(手根管の外)、尺側にある神経束構造=尺骨神経です。すぐ上方の輪状構造(尺骨動脈)とともにGuyon管を通ります。
5. 有頭骨
❌ 誤り。5は屈筋支帯の尺側付着部となる鉤をもつ最尺側の手根骨=有鉤骨です。有頭骨はその1つ橈側にあります。

【試験対策ポイント】

手根管の内容は「9本の腱+1本の神経」で固定です。

通るもの内訳
腱(9本)浅指屈筋腱4・深指屈筋腱4・長母指屈筋腱1
神経(1本)正中神経のみ
通らないもの尺骨神経・尺骨動脈(Guyon管)、橈側手根屈筋腱(別区画)、長掌筋腱(支帯の浅層)
  • 手根管の天井=屈筋支帯床と側壁=手根骨(橈側:舟状骨結節・大菱形骨稜、尺側:豆状骨・有鉤骨鉤)。
  • 手根管症候群では母指球筋(短母指外転筋)の萎縮橈側3指半の感覚障害が出る一方、手掌部の感覚は保たれます(正中神経掌枝が屈筋支帯の浅層を通るため)。鑑別の決め手です。
  • Guyon管症候群は尺骨神経の絞扼で、骨間筋・小指球筋の萎縮と鷲手を呈します。
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