PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第79問

臨床心理学第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第79問(臨床心理学)の正答は 2 です。精神分析における「転移」は、患者が過去の重要人物(親など)に向けていた感情を治療者に向ける現象です。

問題
逆転移に相当するのはどれか。
  1. 1. 治療者が患者に夢の解釈を教える。
  2. 2. 治療者が患者に様々な感情を向ける。
  3. 3. 治療者が無意識の葛藤を患者に意識させる。
  4. 4. おとぎ話の内容が患者の精神症状に現れる。
  5. 5. 患者が過去の治療者に向けた感情を現在の治療者に向ける。

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 治療者が患者に様々な感情を向ける。

精神分析における「転移」は、患者が過去の重要人物(親など)に向けていた感情を治療者に向ける現象です。これに対し「逆転移」は方向が逆で、治療者側が患者に対して抱く感情反応を指します。したがって「治療者が患者に様々な感情を向ける」が逆転移に相当します。


【各選択肢の解説】

1. 治療者が患者に夢の解釈を教える。
❌ 誤り。これは「夢分析(夢判断)」という精神分析の技法であり、感情の動きを指す逆転移とは別の概念です。
2. 治療者が患者に様々な感情を向ける。
✅ 正しい。逆転移そのものの説明です。かつては治療の妨げとされましたが、現在は治療者が自分の感情を自覚することで患者理解の手がかりになると考えられています。
3. 治療者が無意識の葛藤を患者に意識させる。
❌ 誤り。これは「解釈」による意識化・洞察の促しで、精神分析の中心的技法ですが逆転移ではありません。
4. おとぎ話の内容が患者の精神症状に現れる。
❌ 誤り。神話やおとぎ話に共通するイメージが個人に現れる現象は、Jungの元型(普遍的無意識)の考え方に対応します。
5. 患者が過去の治療者に向けた感情を現在の治療者に向ける。
❌ 誤り。患者→治療者の方向なのでこれは「転移」です。逆転移とちょうど対になる概念で、ここが本問最大の引っかけです。

【試験対策ポイント】

方向を矢印で整理すると混同しません。

  • 転移(患者 → 治療者):過去の重要人物に向けていた感情を治療者に向ける
  • 陽性転移(患者 → 治療者):好意・依存・理想化
  • 陰性転移(患者 → 治療者):敵意・不信・怒り
  • 逆転移(治療者 → 患者):治療者の側が患者に抱く感情反応
「逆」がつくほうが治療者発、と覚えます。あわせてFreudの防衛機制(抑圧・投影・反動形成・退行・昇華・合理化)、自由連想法、Jungの元型・集合的無意識、Rogersの来談者中心療法(受容・共感的理解・自己一致)は頻出セットです。理学療法場面でも、担当患者に過度に肩入れしたり苛立ちを覚えたりする自分の感情に気づくこと(逆転移の自覚)は、適切な治療関係を保つうえで重要とされています。

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