PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第78問

リハビリテーション医学第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第78問(リハビリテーション医学)の正答は 3 です。ボツリヌス毒素(A型)は運動神経終末に取り込まれ、アセチルコリン放出に必要な蛋白(SNAP-25)を切断して神経筋伝達を遮断します。

問題
ボツリヌス毒素を用いた治療で、効果の一般的な持続期間はどれか。
  1. 1. 1〜3日
  2. 2. 1〜3週間
  3. 3. 3〜6か月
  4. 4. 1〜3年
  5. 5. 10年以上

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 3〜6か月

ボツリヌス毒素(A型)は運動神経終末に取り込まれ、アセチルコリン放出に必要な蛋白(SNAP-25)を切断して神経筋伝達を遮断します。効果は注射後2〜3日で出現し1〜2週でピークとなり、神経終末の軸索発芽・再支配に伴っておおむね3〜6か月で消失します。そのため年に2〜3回の反復投与が必要になります。


【各選択肢の解説】

1. 1〜3日
❌ 誤り。注射から効果が「出現し始める」までの期間がおおよそ2〜3日であり、持続期間ではありません。
2. 1〜3週間
❌ 誤り。1〜2週間は効果が最大になる時期です。この時期に合わせて装具作製やストレッチ・課題指向型練習を集中させるのが実践的なポイントです。
3. 3〜6か月
✅ 正しい。遮断された神経終末が発芽・再支配することで効果は徐々に減弱し、3〜6か月で元に戻ります。保険上も再投与間隔は3か月以上とされています。
4. 1〜3年
❌ 誤り。長すぎます。これほど長い効果は神経ブロックでも得られず、恒久的効果を狙う場合は選択的末梢神経縮小術などの外科的治療が選ばれます。
5. 10年以上
❌ 誤り。不可逆的な処置ではありません。効果が可逆的であることこそがボツリヌス療法の利点です。

【試験対策ポイント】

痙縮治療を「効果の持続時間」で並べて整理しましょう。

  • 内服(バクロフェンなど):中枢性に筋を弛緩させる → 効果は服用中のみ
  • ボツリヌス毒素注射:神経筋接合部でアセチルコリン放出を阻害 → 3〜6か月
  • 神経ブロック(フェノール・アルコール):神経を化学的に変性させる → 数か月〜1年
  • ITB(髄腔内バクロフェン):脊髄レベルでGABA作用 → ポンプ留置中は持続
国試では「効果発現2〜3日・ピーク1〜2週・持続3〜6か月」の3つの数字が狙われます。適応は脳卒中後の上下肢痙縮、痙性斜頸、眼瞼痙攣、小児脳性麻痺の下肢痙縮など。理学療法士としては、効果が出ている期間にストレッチ・装具・随意運動練習を集中させるという併用の考え方が問われます。

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