PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第81問

臨床心理学第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第81問(臨床心理学)の正答は 1 です。傾聴(active listening)とは、相手の話を評価・誘導せずに受け止め、「あなたの話を聴いています」というメッセージを返しながら、相手が自由に語れる場をつくる態度です。

問題
面接における傾聴的な態度はどれか。
  1. 1. 相づちを打つ。
  2. 2. 行動の理由を説明させる。
  3. 3. 事実関係を正確に確認する。
  4. 4. 患者の感情に焦点を当てない。
  5. 5. 話が途切れそうになったら新たな話題を提供する。

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — 相づちを打つ。

傾聴(active listening)とは、相手の話を評価・誘導せずに受け止め、「あなたの話を聴いています」というメッセージを返しながら、相手が自由に語れる場をつくる態度です。うなずきや相づちは、非言語的に受容と関心を伝える最も基本的な技法であり、傾聴的態度そのものといえます。


【各選択肢の解説】

1. 相づちを打つ。
✅ 正しい。うなずき・相づち・視線・沈黙の共有といった非言語的応答は、患者に「受け止められている」と感じさせ、語りを促進します。
2. 行動の理由を説明させる。
❌ 誤り。「なぜそうしたのか」と理由を求める問いかけは詰問・追及になりやすく、患者を防衛的にさせます。傾聴では説明を要求せず、まず語られたことを受け止めます。
3. 事実関係を正確に確認する。
❌ 誤り。事実確認は情報収集としては必要ですが、それは面接の別の目的(情報収集面接)です。傾聴では事実の正確さより、患者がその出来事をどう体験し感じているかに焦点を当てます。
4. 患者の感情に焦点を当てない。
❌ 誤り。傾聴はむしろ感情に焦点を当てる態度です。感情の反射(「つらかったのですね」など)は傾聴の中心的技法です。
5. 話が途切れそうになったら新たな話題を提供する。
❌ 誤り。沈黙は患者が考えを整理している大切な時間です。治療者が話題を提供すると面接の主導権が治療者に移り、患者のペースを奪ってしまいます。

【試験対策ポイント】

面接技法の問題は「主役は患者」という原則で解けます。傾聴を支える具体的技法は次のとおりです。

  • 受容:善悪の判断をせずありのままを受け止める
  • 共感的理解:患者の枠組みに立って感じ取り、それを言葉で返す
  • 自己一致(純粋性):治療者自身が偽らず率直であること
  • 開かれた質問(open question):「はい/いいえ」で終わらない問い方
  • 感情の反射・要約・繰り返し:語られた内容と感情を言葉にして返す
  • 沈黙を尊重する:無理に埋めない
Rogersの来談者中心療法では、上の3条件(受容・共感的理解・自己一致)が治療者に求められる中核条件とされます。逆に「助言する」「説得する」「話題を変える」「原因を追及する」「安易に励ます」は非傾聴的な対応として誤りの選択肢に配置されるのが定番です。理学療法の初回評価でも、疼痛や不安の訴えをまず受け止めてから客観的評価に移る流れが基本になります。

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