PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第96問

臨床心理学第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第96問(臨床心理学)の正答は 2・4 です。前頭側頭型認知症(Pick病)は前頭葉と側頭葉前部が限局性に萎縮する疾患で、記憶障害よりも人格変化・行動異常が前景に出ます。

問題
前頭側頭型認知症(Pick病)に特徴的な症状はどれか。2つ選べ。
  1. 1. 幻視
  2. 2. 考え無精
  3. 3. 替え玉妄想
  4. 4. 時刻表的行動
  5. 5. 物盗られ妄想

正答:2・4番

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解説
■ 正答:2・4番 — 考え無精、時刻表的行動

前頭側頭型認知症(Pick病)は前頭葉と側頭葉前部が限局性に萎縮する疾患で、記憶障害よりも人格変化・行動異常が前景に出ます。質問に対して考えようとせず「わからない」と即答する考え無精と、毎日決まった時刻に同じコースを回る時刻表的行動(常同行動・周遊)が代表的な症状です。


【各選択肢の解説】

1. 幻視
❌ 誤り。反復する具体的で生々しい幻視(人物・小動物)はレビー小体型認知症の中核症状です。Pick病では目立ちません。
2. 考え無精
✅ 正しい。思考の発動性低下による前頭葉症状で、Pick病に特徴的です。自分の関心を優先する立ち去り行動(going my way behavior)や脱抑制も同系統の症状です。
3. 替え玉妄想
❌ 誤り。身近な人がそっくりの別人に入れ替わったと確信するCapgras症候群(妄想性人物誤認)で、レビー小体型認知症や統合失調症でみられます。
4. 時刻表的行動
✅ 正しい。毎日同じ時刻に同じ行動を繰り返す常同行動で、Pick病の代表的所見です。同じ言葉を繰り返す滞続言語も同じ常同性の表れです。
5. 物盗られ妄想
❌ 誤り。アルツハイマー型認知症の初期に多い妄想で、記憶障害を背景に同居家族など身近な人を疑うのが典型です。

【試験対策ポイント】

認知症は「どのタイプに特徴的か」を対比で覚えると失点しません。

認知症のタイプ特徴的な症状
前頭側頭型(Pick病)人格変化・脱抑制・考え無精・時刻表的行動・滞続言語・立ち去り行動
アルツハイマー型近時記憶障害が初発・物盗られ妄想・取り繕い反応
レビー小体型具体的な幻視・パーキンソニズム・認知機能の変動・REM睡眠行動障害
血管性まだら認知症・感情失禁・階段状の増悪

Pick病は初期から記憶や見当識が比較的保たれ、社会的逸脱行動(万引き・無断外出)で発覚するのがポイント。作業療法・理学療法では叱責せず、常同行動をそのままリハビリの日課に組み込む(時刻表を利用する)対応が有効です。

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