PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第95問

内部障害理学療法第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第95問(内部障害理学療法)の正答は 3 です。新たに発症して1週以内の狭心症は、症状が安定していない状態=不安定狭心症として扱われ、急性冠症候群に含まれます。

問題
運動負荷を漸増すべきでないのはどれか。
  1. 1. 発症後2日のラクナ梗塞患者
  2. 2. 抗凝固薬投与中の心房細動患者
  3. 3. 発症後1週以内の労作性狭心症患者
  4. 4. 在宅酸素療法導入後の慢性閉塞性肺疾患患者
  5. 5. 下大静脈フィルター留置後の深部静脈血栓症患者

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 発症後1週以内の労作性狭心症患者

新たに発症して1週以内の狭心症は、症状が安定していない状態=不安定狭心症として扱われ、急性冠症候群に含まれます。心筋梗塞へ移行する危険が高く、運動負荷そのものが虚血発作や致死性不整脈を誘発しうるため、この時期の運動負荷の漸増は禁忌です。


【各選択肢の解説】

1. 発症後2日のラクナ梗塞患者
❌ 誤り(漸増してよい)。ラクナ梗塞は穿通枝領域の小梗塞で全身状態が安定していることが多く、神経症状の増悪がなければ発症48時間以内からの早期離床が推奨されます。廃用予防の観点からも早期からの段階的な負荷が有益です。
2. 抗凝固薬投与中の心房細動患者
❌ 誤り(漸増してよい)。抗凝固療法が行われていれば心原性脳塞栓のリスクは管理されています。心拍数のコントロールが良好なら運動療法の適応で、むしろ運動耐容能の維持が重要です。
3. 発症後1週以内の労作性狭心症患者
✅ 正しい(=漸増すべきでないもの)。新規発症で1週以内という経過は不安定狭心症を意味します。安静と薬物治療、冠動脈造影などによる評価が優先され、運動負荷試験・負荷の漸増は病態が安定してから行います。
4. 在宅酸素療法導入後の慢性閉塞性肺疾患患者
❌ 誤り(漸増してよい)。HOT導入後のCOPDこそ呼吸リハビリテーションの良い適応です。酸素流量を調整しながらSpO₂ 90%以上を保ち、下肢の持久力トレーニングを段階的に進めることでADLと予後が改善します。
5. 下大静脈フィルター留置後の深部静脈血栓症患者
❌ 誤り(漸増してよい)。下大静脈フィルターは血栓が肺へ飛ぶのを防ぐために留置されるもので、留置後は肺血栓塞栓症のリスクが下がるため離床・運動が可能になります。

【試験対策ポイント】

運動療法の絶対的禁忌を丸ごと覚えておくと、この形式の問題は確実に取れます。

  • 不安定狭心症、発症48時間以内の急性心筋梗塞
  • コントロール不良の症候性不整脈、重症の大動脈弁狭窄症
  • 非代償性(急性増悪期)の心不全
  • 急性の肺塞栓・肺梗塞、急性の心筋炎・心膜炎、急性大動脈解離
  • 活動性のある感染症・発熱、コントロール不良の高血圧や糖尿病
判断のコツは「その病態が“急性・不安定”か、“慢性・安定”か」を見ることです。安定していれば慢性疾患(COPD・心房細動・陳旧性梗塞・フィルター留置後DVT)はむしろ運動の適応となります。またAndersen-土肥の基準(運動を行わないほうがよい場合:安静時脈拍120/分以上、拡張期血圧120 mmHg以上、収縮期血圧200 mmHg以上、労作性狭心症の方など)も同時に問われるため、数値ごと押さえておきましょう。

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