PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午後 第84問

人間発達学第47回午後

第47回 理学療法士国家試験 午後 第84問(人間発達学)の正答は 4 です。NICUでのハンドリングでは、児が容易にストレス反応を示し、心拍・呼吸・酸素化が急激に変動するため、バイタルサインと全身状態をリアルタイムで監視することがリスク管理の中心になります。

問題
NICUでハンドリングを行う場合のリスク管理で留意すべき児の変化として適切でないのはどれか。
  1. 1. 心拍数
  2. 2. 呼吸の状態
  3. 3. 皮膚の色
  4. 4. 原始反射の有無
  5. 5. 動脈血酸素飽和度

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 原始反射の有無

NICUでのハンドリングでは、児が容易にストレス反応を示し、心拍・呼吸・酸素化が急激に変動するため、バイタルサインと全身状態をリアルタイムで監視することがリスク管理の中心になります。原始反射の有無は神経学的発達を評価する項目であり、介入中の全身状態の急変を捉える指標ではないため、リスク管理として留意すべき変化には当たりません。


【各選択肢の解説】

1. 心拍数
✅ 正しい。ハンドリングによるストレスで徐脈や頻脈が生じます。新生児の徐脈は低酸素の重要なサインで、直ちに中止・保温・体位調整が必要です。
2. 呼吸の状態
✅ 正しい。無呼吸発作、多呼吸、陥没呼吸、呻吟などの出現はストレスや呼吸障害の徴候で、介入を中止する基準になります。
3. 皮膚の色
✅ 正しい。チアノーゼ・蒼白・網状チアノーゼは低酸素や末梢循環不全を示し、モニターと併せて観察すべき所見です。
4. 原始反射の有無
❌ 誤り。原始反射は中枢神経系の成熟度をみる発達評価の項目で、ハンドリング中の急変を察知するリスク指標ではありません。これがリスク管理として適切でない選択肢です。
5. 動脈血酸素飽和度
✅ 正しい。SpO2はパルスオキシメータで連続監視でき、低下は直ちに介入中止の判断材料になります。未熟児では高すぎる酸素化も未熟児網膜症のリスクとなるため上限にも注意します。

【試験対策ポイント】

NICUでの理学療法は「児の状態に合わせて介入し、ストレスサインが出たら中止する」が大原則です。

  • 生理学的ストレスサイン:徐脈・頻脈、無呼吸・多呼吸、SpO2低下、チアノーゼ・蒼白、しゃっくり、嘔吐、あくび
  • 行動的ストレスサイン:四肢の伸展・突っ張り、指を開く(フィンガースプレイ)、顔をしかめる、視線をそらす、体を反らす
  • 安定のサイン:規則的な呼吸、屈曲姿勢の保持、手を口や正中に持ってくる、穏やかな覚醒
介入の枠組みとしてディベロップメンタルケア(光・音の環境調整、ポジショニングによる屈曲姿勢の保持、ネスティング、ミニマルハンドリング、ケアの集約)が問われます。原始反射やGeneral Movementsの評価は「発達評価」の項目であり、リスク管理の監視項目とは区別して覚えましょう。

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