PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第45問

義肢装具学第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第45問(義肢装具学)の正答は 4 です。金属支柱付短下肢装具の足関節背屈角度を小さくする(=より底屈方向に設定して背屈を制限する)と、立脚中期に下腿が前方へ倒れ込むのを抑えられます。

問題
金属支柱付短下肢装具の足関節背屈角度を小さくすることで改善しやすい動作はどれか。
  1. 1. 床からの立ち上がり
  2. 2. 椅子への着座
  3. 3. 立位での前方リーチ
  4. 4. 立脚中期の膝折れ
  5. 5. 上り坂の歩行

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 立脚中期の膝折れ

金属支柱付短下肢装具の足関節背屈角度を小さくする(=より底屈方向に設定して背屈を制限する)と、立脚中期に下腿が前方へ倒れ込むのを抑えられます。下腿の前傾が抑制されると膝関節に伸展モーメントが働くため、膝折れ(膝の急激な屈曲)が改善します。


【各選択肢の解説】

1. 床からの立ち上がり
❌ 誤り。しゃがみ位から立ち上がるには足関節の背屈が必要です。背屈角度を小さくすると重心を前方へ移動できず、かえって困難になります。
2. 椅子への着座
❌ 誤り。着座時も下腿を前傾させながら重心を後方へ下ろすため足関節背屈が必要で、背屈制限は妨げになります。
3. 立位での前方リーチ
❌ 誤り。前方リーチでは足関節戦略(ankle strategy)として背屈が起こります。背屈を制限すると前方への重心移動範囲が狭まり、リーチ距離は短くなります。
4. 立脚中期の膝折れ
✅ 正しい。背屈制限により下腿の前傾が抑えられ、膝関節の床反力作用線が膝の前方を通りやすくなるため、膝伸展モーメントが生じて膝折れを防ぎます。
5. 上り坂の歩行
❌ 誤り。上り坂では平地よりも大きな足関節背屈が要求されます。背屈を制限すると踵が浮き、かえって歩行が困難になります。

【試験対策ポイント】

短下肢装具の足継手角度と膝への影響は、床反力作用線と膝関節の位置関係で考えます。

装具の設定立脚期に起こること膝への作用適応
背屈制限を強める(底屈方向へ)下腿の前傾が抑えられる膝伸展モーメント → 膝折れ防止大腿四頭筋筋力低下・膝折れ
背屈を許す(背屈方向へ)下腿が前傾しやすい膝屈曲モーメント反張膝(膝過伸展)
底屈制限(背屈補助)踵接地後の足底接地が緩やかになる下垂足・foot slap
  • 反張膝(back knee) → 背屈方向に調整(下腿を前傾させる)。
  • 膝折れ → 底屈方向に調整(下腿の前傾を止める)。
この2つは真逆なので、必ず「膝がどちらに崩れているか」から考えます。また、油圧制動やダブルクレンザック継手では底屈・背屈それぞれの制動を独立して調整できることも押さえておきましょう。

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