PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第79問

臨床心理学第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第79問(臨床心理学)の正答は 4 です。転換とは、受け入れがたい心理的葛藤が抑圧され、それが随意運動や感覚の症状(麻痺・失立失歩・失声・失明・けいれん発作など)という身体症状に置き換えられて表現される防衛機制です。

問題
葛藤が麻痺や失声などの神経症状となって現れるのはどれか。
  1. 1. 解離
  2. 2. 昇華
  3. 3. 心気
  4. 4. 転換
  5. 5. 抑圧

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 転換

転換とは、受け入れがたい心理的葛藤が抑圧され、それが随意運動や感覚の症状(麻痺・失立失歩・失声・失明・けいれん発作など)という身体症状に置き換えられて表現される防衛機制です。神経学的な検査所見では説明できない運動麻痺や失声が生じるのが特徴で、これによる病態を転換性障害(ICD-10では解離性運動障害等)といいます。


【各選択肢の解説】

1. 解離
❌ 誤り。解離は意識・記憶・同一性・知覚の統合が失われる機制で、健忘・遁走・離人感・同一性障害として現れます。身体の麻痺や失声という形はとりません。
2. 昇華
❌ 誤り。昇華は攻撃性や性的欲動を、スポーツ・芸術・仕事など社会的に価値のある活動へ向け直す最も成熟した防衛機制です。
3. 心気
❌ 誤り。心気(心気症)は、身体に重い病気があるのではないかというとらわれ・確信が続く状態で、実際の麻痺や失声は生じません。
4. 転換
✅ 正しい。葛藤が身体の運動・感覚症状に転換されたもので、麻痺や失声が典型例です。
5. 抑圧
❌ 誤り。抑圧は受け入れがたい欲求や記憶を意識から締め出して無意識に留める、最も基本的な防衛機制です。転換や解離の前段階にあたります。

【試験対策ポイント】

キーワードで区別できます。転換=身体(運動・感覚)に出る解離=意識・記憶に出る心気=病気ではないかという心配

転換性障害では、症状に対して深刻に悩まないようにみえる「満ちたりた無関心(la belle indifférence)」がしばしばみられます。理学療法の場面では、症状を否定せず、身体機能へのアプローチを通じて成功体験を積ませ、二次的な廃用を防ぐ関わりが基本になります。詐病(意図的な作為)とは異なり、本人は症状を意図的に作り出していない点も重要です。

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