PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第83問

人間発達学第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第83問(人間発達学)の正答は 2 です。アテトーゼ型脳性麻痺は、新生児期から乳児期早期にはむしろ低緊張(フロッピー)を示し、その後に筋緊張の動揺と不随意運動が明らかになってくるのが典型的な経過です。

問題
脳性麻痺で正しいのはどれか。
  1. 1. アテトーゼ型では下肢より上肢の支持性が良い。
  2. 2. アテトーゼ型では初期は低緊張である。
  3. 3. 痙直型では出生直後から筋緊張が亢進する。
  4. 4. 痙直型両麻痺では下肢より上肢の麻痺が重度である。
  5. 5. 痙直型片麻痺では上肢より下肢の麻痺が重度である。

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — アテトーゼ型では初期は低緊張である。

アテトーゼ型脳性麻痺は、新生児期から乳児期早期にはむしろ低緊張(フロッピー)を示し、その後に筋緊張の動揺と不随意運動が明らかになってくるのが典型的な経過です。不随意運動がはっきりするのは生後6か月以降〜1歳以降のことが多く、初期像だけでは診断がつきにくいのが特徴です。


【各選択肢の解説】

1. アテトーゼ型では下肢より上肢の支持性が良い。
❌ 誤り。アテトーゼ型では上肢・頸部・顔面に不随意運動が強く出るため、上肢の支持性はむしろ不良です。
2. アテトーゼ型では初期は低緊張である。
✅ 正しい。乳児期早期は低緊張で、その後に緊張の動揺と不随意運動が出現します。
3. 痙直型では出生直後から筋緊張が亢進する。
❌ 誤り。痙直型でも出生直後は低緊張のことが多く、筋緊張亢進(痙縮)が明らかになるのは生後数か月以降です。
4. 痙直型両麻痺では下肢より上肢の麻痺が重度である。
❌ 誤り。痙直型両麻痺は未熟児の脳室周囲白質軟化症(PVL)を背景とすることが多く、下肢の麻痺が上肢より重度です。
5. 痙直型片麻痺では上肢より下肢の麻痺が重度である。
❌ 誤り。痙直型片麻痺では中大脳動脈領域の障害が多く、上肢の麻痺が下肢より重度になります。

【試験対策ポイント】

麻痺の分布は「両麻痺は下肢優位、片麻痺は上肢優位」と対で覚えます。四肢麻痺は上下肢とも重度で、重複障害を伴いやすい型です。

・痙直型:折りたたみナイフ現象、腱反射亢進、尖足・はさみ肢位。最も頻度が高い(約70〜80%)
・アテトーゼ型:核黄疸や新生児仮死が背景。不随意運動、緊張性頸反射(ATNR)の残存、加齢に伴う頸椎症性脊髄症の合併に注意
・失調型:小脳障害。バランス不良、企図振戦、測定障害

なお脳性麻痺は「受胎から新生児期(生後4週以内)までに生じた非進行性の脳病変による運動・姿勢の異常」と定義され、進行性疾患や一過性の運動障害は含まれません。

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