PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午前 第93問

人間発達学第49回午前

第49回 理学療法士国家試験 午前 第93問(人間発達学)の正答は 3 です。「可能性が低いのはどれか」を問う否定形の設問です。

問題
脳性麻痺の周産期における危険因子として可能性が低いのはどれか。
  1. 1. 緊急帝王切開による出生
  2. 2. 脳室周囲白質軟化症
  3. 3. 低カリウム血症
  4. 4. 新生児仮死
  5. 5. 低血糖

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 低カリウム血症

「可能性が低いのはどれか」を問う否定形の設問です。低カリウム血症は筋力低下や不整脈をきたしますが、中枢神経に不可逆的な損傷を残すことは少なく、脳性麻痺の周産期危険因子としては挙がりません。他の4つはいずれも脳性麻痺のリスクとして確立しています。


【各選択肢の解説】

1. 緊急帝王切開による出生
✅ 正しい。緊急帝王切開が必要になる背景には胎児機能不全(胎児仮死)、常位胎盤早期剝離、臍帯脱出などがあり、それ自体が低酸素性脳障害のリスクを示す危険因子です。
2. 脳室周囲白質軟化症
✅ 正しい。早産・低出生体重児に生じる代表的な脳病変で、痙直型両麻痺の主要な原因です。側脳室周囲を通る下肢支配の錐体路が障害されるため下肢優位の麻痺となります。
3. 低カリウム血症
❌ 誤り。脳性麻痺の危険因子とはされていません。電解質異常のうち脳障害と関連するのは低血糖・低ナトリウム血症・高ビリルビン血症(核黄疸)です。
4. 新生児仮死
✅ 正しい。低酸素性虚血性脳症を引き起こし、脳性麻痺の代表的な原因となります。Apgarスコアの低値が指標となります。
5. 低血糖
✅ 正しい。新生児は脳のエネルギー源をブドウ糖に依存しており、遷延する低血糖は不可逆的な脳障害を残します。

【試験対策ポイント】

脳性麻痺の危険因子は発生時期で3つに分けて整理する。

時期危険因子
出生前先天奇形・脳形成異常・子宮内感染(TORCH)・胎盤機能不全・多胎
周産期新生児仮死・低酸素性虚血性脳症・頭蓋内出血・脳室周囲白質軟化症・核黄疸・低血糖・低出生体重・早産
出生後髄膜炎・脳炎・頭部外傷・重症脱水(生後4週以内)
  • 脳性麻痺の定義は「受胎から生後4週以内に生じた、非進行性の脳病変による運動および姿勢の異常」(厚生省研究班)。進行性疾患と一過性の運動障害は除外する
  • 病型と原因の対応:痙直型両麻痺=早産児のPVL/アテトーゼ型=核黄疸(大脳基底核障害)/痙直型片麻痺=一側の脳血管障害
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