PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午前 第92問

内科学・臨床医学第49回午前

第49回 理学療法士国家試験 午前 第92問(内科学・臨床医学)の正答は 2 です。僧帽弁狭窄症では左房から左室への血流が妨げられ、左房圧の上昇→肺静脈うっ血→肺うっ血が最初に生じます。

問題
僧帽弁狭窄症による心不全で初期からみられるのはどれか。
  1. 1. 頸静脈怒張
  2. 2. 呼吸困難
  3. 3. 肝脾腫
  4. 4. 高血圧
  5. 5. 浮腫

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 呼吸困難

僧帽弁狭窄症では左房から左室への血流が妨げられ、左房圧の上昇→肺静脈うっ血→肺うっ血が最初に生じます。したがって初期症状は労作時呼吸困難であり、進行すると起坐呼吸、発作性夜間呼吸困難、血痰などの左心不全症状が加わります。


【各選択肢の解説】

1. 頸静脈怒張
❌ 誤り。頸静脈怒張は中心静脈圧の上昇を反映する右心不全の徴候です。僧帽弁狭窄症では肺高血圧が進行して右心負荷が生じた後期に出現します。
2. 呼吸困難
✅ 正しい。肺うっ血による労作時呼吸困難が初期からみられる代表症状です。
3. 肝脾腫
❌ 誤り。うっ血肝は右心不全による体循環うっ血の所見で、後期に出現します。
4. 高血圧
❌ 誤り。僧帽弁狭窄症では左室への流入が制限されて心拍出量はむしろ低下し、体血圧は上がりません。高血圧は原因疾患であっても本症の症状ではありません。
5. 浮腫
❌ 誤り。下腿浮腫は右心不全による体液貯留の所見で、進行期にみられます。

【試験対策ポイント】

左心不全と右心不全の症状を対で覚えるだけで、この型の問題は確実に取れる。

心不全うっ血する場所主な症状
左心不全肺循環(肺うっ血)労作時呼吸困難・起坐呼吸・発作性夜間呼吸困難・湿性ラ音・血痰・チアノーゼ
右心不全体循環(静脈うっ血)頸静脈怒張・肝腫大・下腿浮腫・体重増加・腹水・食欲不振
  • 僧帽弁狭窄症はリウマチ熱の後遺症が原因の多数を占め、左房拡大により心房細動を合併しやすい。心房細動→左房内血栓→脳塞栓のリスクが高く、抗凝固療法が行われる
  • 聴診所見は心尖部の拡張期ランブル(遠雷様の低調な雑音)と僧帽弁開放音。運動療法では、労作時の呼吸困難・SpO2低下・不整脈の出現に注意し、Borg指数11〜13の範囲にとどめる
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