PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午前 第100問

臨床心理学第49回午前

第49回 理学療法士国家試験 午前 第100問(臨床心理学)の正答は 2 です。言語能力そのものは保たれており、自宅など安心できる場面では普通に会話できるのに、学校など特定の社会的状況でのみ話せなくなる状態を選択性緘黙(場面緘黙)といいます。

問題
小学2年生の女児。学校では一言も話さない。うなずきなどのジェスチャーでコミュニケーションは可能。自宅では普通に会話ができる。考えられるのはどれか。
  1. 1. 読字障害
  2. 2. 選択性緘黙
  3. 3. Rett症候群
  4. 4. 広汎性発達障害
  5. 5. Tourette症候群

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 選択性緘黙

言語能力そのものは保たれており、自宅など安心できる場面では普通に会話できるのに、学校など特定の社会的状況でのみ話せなくなる状態を選択性緘黙(場面緘黙)といいます。うなずきやジェスチャーによる非言語的コミュニケーションは可能である点も典型的です。


【各選択肢の解説】

1. 読字障害
❌ 誤り。読字障害(ディスレクシア)は限局性学習症の一型で、知的能力に見合わない読みの困難が中核です。会話は場面を問わず可能で、本例の状態像とは一致しません。
2. 選択性緘黙
✅ 正しい。不安症群に分類され、発症は5歳前後、就学を機に顕在化することが多い状態です。
3. Rett症候群
❌ 誤り。ほぼ女児のみに発症する神経発達症ですが、生後6か月〜1歳半頃から獲得した手の機能と言語を退行性に失い、手もみ様の常同運動が出現します。本例のような場面依存性はありません。
4. 広汎性発達障害
❌ 誤り。現在の自閉スペクトラム症にあたり、場面を問わず社会的コミュニケーションの質的障害と限定的・反復的な行動がみられます。「自宅では普通に会話できる」という記述と矛盾します。
5. Tourette症候群
❌ 誤り。多彩な運動チックと1つ以上の音声チックが1年以上持続する疾患です。話せなくなるのではなく、不随意的な発声や汚言がみられます。

【試験対策ポイント】

  • 選択性緘黙の対応の原則は「話すことを強要しない」。発話を促すより、筆談・カード・ジェスチャーなど話さなくても参加できる手段を保証し、安心できる環境で少人数から段階的に慣らしていく(不安の軽減が第一)
  • 「できるのに、ある場面でだけできない」という状況依存性が診断のカギ。状況を問わず一貫して障害がある発達障害(ASD・LD・ADHD)との最大の鑑別点になる
  • 発症年齢と性差もヒント:Rett症候群=女児のみ/Tourette症候群=男児に多い(4:1)/選択性緘黙=女児にやや多い
  • 併存として社交不安障害を伴うことが多く、経過中に不安症状全般への支援が必要になる
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