PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午後 第100問

臨床心理学第49回午後

第49回 理学療法士国家試験 午後 第100問(臨床心理学)の正答は 2 です。うつ病の急性期対応の原則は十分な休養の保証です。

問題
うつ病への対応として適切なのはどれか。
  1. 1. 重要な事柄についての判断を促す。
  2. 2. 休養の重要性について説明する。
  3. 3. 自殺の可能性は話題にしない。
  4. 4. うつ病の診断は伝えない。
  5. 5. 気晴らしを推奨する。

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 休養の重要性について説明する。

うつ病の急性期対応の原則は十分な休養の保証です。「頑張れ」と励まさない、重大な決断を先延ばしにさせる、自殺念慮は率直に確認する、という3点とあわせて、休養の重要性を本人・家族に説明することが基本になります。


【各選択肢の解説】

1. 重要な事柄についての判断を促す。
❌ 誤り。うつ状態では思考制止・判断力低下・悲観的認知のために不利な決断をしやすいため、退職・離婚・財産処分などの重大な決断は回復するまで延期させます。
2. 休養の重要性について説明する。
✅ 正しい。うつ病は「エネルギーが枯渇した状態」であり、休養と薬物療法が治療の両輪です。本人が休むことに罪悪感をもつことが多いため、休養が治療であると明確に伝える必要があります。
3. 自殺の可能性は話題にしない。
❌ 誤り。自殺について尋ねることが自殺を誘発することはなく、むしろ率直に確認することで危険性の評価と対応が可能になります。「死にたい気持ちはありますか」と直接聞くのが原則です。
4. うつ病の診断は伝えない。
❌ 誤り。診断を適切に伝えることで、本人が「怠けではなく治療可能な病気である」と理解でき、治療への動機づけと自責感の軽減につながります。
5. 気晴らしを推奨する。
❌ 誤り。急性期に旅行や気晴らしを勧めるのは、かえって疲労と「楽しめない自分」への自責を強め、症状を悪化させます。活動の再開は回復期に段階的に行います。

【試験対策ポイント】

うつ病対応の原則は「してはいけないこと」で覚えるのが確実です。

してはいけない理由・代わりにすること
励ます(頑張れ)すでに限界まで頑張っている。自責を強める
気晴らし・旅行を勧める急性期は疲労と自責を増す。休養が優先
重大な決断をさせる判断力低下で不利な選択をする。回復後に延期
自殺の話題を避ける率直に尋ねてリスク評価する
叱責・説得認知は病気の症状であり議論では変わらない

回復期の自殺リスク上昇にも注意が必要です。最も重症な時期は行動を起こす気力すらないのに対し、抗うつ薬が効き始めて活動性が戻り始めた時期に自殺企図が実行されやすくなります。

PT介入では、急性期は無理な運動を行わず、回復期に低強度の有酸素運動から段階的に活動量を上げます。運動療法は軽症〜中等症のうつ病に有効性が示されており、「達成できる課題設定」で成功体験を積ませることが重要です。日内変動(朝に調子が悪く夕方に改善する)を踏まえた時間設定も実践的なポイントです。

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