位置の記憶
上のマス目にある記号の場所を覚え、点線で紙をうしろへ折って、下の空いたマス目に同じように記号をかきます。3×3・記号3つから、5×5・記号8つまで5段階です。
何を見る課題か
言葉にしにくい「どこに何があったか」を覚える、視空間性の記憶の課題です。言語の障害が重くても取り組めるので、失語症の方の記憶の評価や訓練にも使えます。
- 場所は合っていて記号が違う… 位置の記憶は保たれていて、記号との結びつけが弱い
- 記号は合っていて場所がずれる… 隣のマスにずれることが多い。位置の記憶そのものが粗い
- 左半分の記号だけ抜ける… 覚える段階で左を見ていない可能性。半側空間無視の確認に
- 数が足りない… 覚えた量の限界。下に「全部で何こ」と書いてあるので、数を合わせようとして思い出し直す方もいる
レベルの中身
- レベル1… 3×3のマスに記号3つ(3種類)
- レベル2… 3×3のマスに記号4つ(4種類)
- レベル3… 4×4のマスに記号5つ(5種類)
- レベル4… 4×4のマスに記号6つ(4種類・同じ記号が2つ以上ある)
- レベル5… 5×5のマスに記号8つ(5種類・同じ記号が2つ以上ある)
レベル4・5は同じ記号が複数あるので、「まるが2つ」と数で覚える方略も使えます。どう覚えたかを聞くと、本人の工夫が見えます。
やり方の目安
覚える時間は1分程度から始めて、できるようなら30秒に縮めます。覚えてから再現までの間に、10〜30秒ほど別の話をはさむと遅延再生の課題になります。時間の条件を変えたら記録に書いてください。
採点のしかた
「場所も記号も合っている」数を正答とし、「場所だけ合っている」数は別に数えておくと、どちらが弱いかが残ります。紙の下の「使う記号」は種類を思い出す手がかりなので、場所の手がかりにはなりません。
よくある質問
- 紙を折らずに使えますか
- 上半分を別の紙で隠しても同じです。両手が使いにくい方には、こちらがやりやすいこともあります。
- 記号をかくのが難しい方には
- 記号を指で示してもらい、検査者が記入してもかまいません。書字の負担を外すと、記憶そのものを見られます。
- 順番も覚える課題はありますか
- 順番つなぎのほうが、順序を追う課題に近い形です。
このページで作った教材は、臨床・授業・家庭学習で自由に印刷して使えます。
内容は言語聴覚士が監修していますが、対象者への適用の可否は担当の専門職が判断してください。