STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第143問

言語学第15回
認識モダリティ形式と共起する必要のあるのはどれか。
  1. 1.恐らく ✓
  2. 2.困ったことに
  3. 3.必ずしも
  4. 4.僭越ながら
  5. 5.どうせ

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 恐らく 認識モダリティ形式とは、話者の認識や判断の確実性(確信度)を表すモダリティであり、「〜だろう」「〜かもしれない」「〜に違いない」などの推量表現と共起する必要があります。「恐らく」は「推量の確実性が低い」という認識を示す副詞であり、「恐らく〜だろう」のように推量表現と結合して機能するため、認識モダリティ形式と共起する典型的な表現です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 恐らく ✅ 正しい。認識モダリティ形式と共起します。「恐らく〜だろう」「恐らく〜かもしれない」など、推量表現と組み合わせることで、事柄に対する話者の認識の程度や確実性を表現します。 2. 困ったことに ❌ 誤り。これは評価モダリティ(話者の価値判断や感情的態度を示す)に分類される表現です。「困ったことに雨が降った」のように、事態そのものに対する話者の評価を表し、認識の確実性とは無関係です。 3. 必ずしも ❌ 誤り。これは否定・制限を表す副詞で、「必ずしも〜ない」という形で制限的な意味を付与します。認識モダリティ形式(推量系)との共起を前提としていません。 4. 僭越ながら ❌ 誤り。これは敬語的な配慮や謙虚さを表す表現で、態度モダリティに分類されます。話者の社会的立場や相手への敬意を示すもので、認識の確実性とは関係ありません。 5. どうせ ❌ 誤り。これは「どちらみち」「結局のところ」という運命的・諦観的な意味を表す副詞であり、評価モダリティや態度モダリティに近い性質を持ちます。認識モダリティの形式を補助するものではありません。 --- 【試験対策ポイント】 モダリティの3分類(言語学的観点) | 分類 | 定義 | 例 | |---|---|---| | 認識モダリティ | 命題に対する話者の認識・確実性の程度を表す | だろう、かもしれない、に違いない、恐らく | | 評価モダリティ | 事態そのものへの価値判断・感情的態度を表す | 困ったことに、幸いなことに、幸か不幸か | | 態度モダリティ | 話者の行為や態度に対する義務・可能性・意志を表す | ねばならない、できる、たいだ、僭越ながら | 共起のポイント - 認識モダリティ形式(推量表現)と共起する副詞は「確実性」「推定」に関わるもに限定される - 「恐らく」「おそらく」「たぶん」「きっと」など推量・推定系副詞が該当 - 評価・態度モダリティとの共起は問題の条件に合致しない - 副詞の意味役割を把握することが問題解答の鍵
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