第15回 言語聴覚士国家試験 第45問
言語学第15回
ヲ格を要求する2項述語はどれか。
- 1.渡る ✓
- 2.もらう
- 3.詳しい
- 4.散歩する
- 5.泣く
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 渡る
ヲ格を要求する2項述語とは、ヲ格の目的語を必須とする述語を指します。「川を渡る」のように、ヲ格補語がなければ述語の意味が完成しない場合、その述語がヲ格を要求すると言えます。「渡る」はヲ格の目的語を必ず伴う他動詞的な2項述語です。
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【各選択肢の解説】
1. 渡る
✅ 正しい。「川を渡る」の形で、ヲ格の目的語(川)を必須とします。この目的語なしに「渡る」を用いることは不自然です。ヲ格を要求する典型的な2項述語です。
2. もらう
❌ 誤り。「もらう」はニ格またはカラ格の与手を要求します。「田中さんに本をもらう」または「田中さんから本をもらう」であり、ヲ格を要求する述語ではありません。
3. 詳しい
❌ 誤り。「詳しい」は形容詞であり、述語ではあってもニ格を要求します(「歴史に詳しい」)。ヲ格を要求しません。また、ここでいう「述語」は通常、動詞を指すため、形容詞は除外されます。
4. 散歩する
❌ 誤り。「散歩する」は「公園を散歩する」の形でヲ格を伴うことができますが、「散歩する」単独でも成立し、ヲ格は必須ではありません。したがってヲ格を「要求する」述語ではなく、むしろ省略可能な目的語を取る述語です。
5. 泣く
❌ 誤り。「泣く」は自動詞で、ヲ格の目的語を要求しません。「悔しくて泣く」など、一項述語です。ヲ格補語は伴いません。
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【試験対策ポイント】
「格を要求する」vs「格を伴うことができる」の違い
| 述語 | ヲ格を要求 | ヲ格を伴う可否 | 例 |
|---|---|---|---|
| 渡る | ✓ | ✓ | 川を渡る(ヲ格必須) |
| 散歩する | ✗ | ✓ | 公園を散歩する、散歩する(両立) |
| 泣く | ✗ | ✗ | 泣く(ヲ格不可) |
「要求する」=その格の補語がなければ述語が成立しない
「伴うことができる」=省略可能な付加的補語
ヲ格必須の他動詞:食べる、飲む、見る、聞く、渡る、助ける など
ニ格必須の述語:もらう(ニ格またはカラ格)、あげる(ニ格)など