第15回 言語聴覚士国家試験 第44問
言語学第15回
同一形態素を含まない組み合わせはどれか。
- 1.部屋 ― 部室 ✓
- 2.眼鏡 ― 金物
- 3.腐る ― 臭い
- 4.落ちる ― 落とす
- 5.おずおず ― 怖気づく(おじけづく)
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 部屋 ― 部室
「部屋」と「部室」は表面的に「部」という文字を共有していますが、形態素レベルでは異なります。「部屋」は「部(接頭辞)+屋(建物)」、「部室」は「部(名詞)+室(部屋)」という構造で、「部」の機能と意味が異なるため、同一の形態素ではありません。一方、他の選択肢はすべて同一形態素を共有しています。
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【各選択肢の解説】
1. 部屋 ― 部室
✅ 正しい(同一形態素を含まない)。「部屋」の「部」は接頭辞的機能で比較対象を示し、「部室」の「部」は部活動などを指す独立した名詞です。形態素の分析では異なる要素とされます。
2. 眼鏡 ― 金物
❌ 誤り。両者とも「もの・ぐ」という形態素を含みます。「眼鏡(がんきょう)」の「鏡」と「金物(かなもの)」の「物」は別ですが、古形では共通の「もの」という形態素が認識できます。より端的には、このペアは同一形態素を含む例として機能しています。
3. 腐る ― 臭い
❌ 誤り。両者は「くさ」という同一の語根を含みます。「腐る(くさる)」と「臭い(くさい)」は、どちらも「くさ」という形態素を基盤としており、活用形の違いです。
4. 落ちる ― 落とす
❌ 誤り。両者は「落(お)」という同一形態素を共有しています。「落ちる」は自動詞、「落とす」は他動詞ですが、語幹の「落」は同じ形態素です。
5. おずおず ― 怖気づく(おじけづく)
❌ 誤り。「おずおず」の「おず」と「怖気づく」の「おじけ」は同じ語根「おじ(おず)」を含んでいます。「おずおず」は重複形、「おじけづく」は「おじけ」に「づく(つく)」が付いた形で、共通の形態素を有します。
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【試験対策ポイント】
形態素とは:「意味を持つ最小単位」で、これ以上分割できない言語要素
| | 例 | 形態素 | 同一形態素の有無 |
|---|---|---|---|
| 部屋 | 部+屋 | 異なる機能 | ❌ なし |
| 眼鏡・金物 | がん・きょう / かな・もの | 「もの」系 | ✅ あり |
| 腐る・臭い | 腐(くさ)+る / 臭(くさ)+い | 「くさ」 | ✅ あり |
| 落ちる・落とす | 落+ちる / 落+とす | 「落」 | ✅ あり |
| おずおず・怖気づく | おず+おず / おじけ+づく | 「おじ/おず」 | ✅ あり |
キーワード:形態素の「同一性」は文字ではなく「意味・機能の統一性」で判定する。接頭辞か独立名詞かの区別が重要。