STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第16回 言語聴覚士国家試験 第1問

リハ医学第16回
脳卒中患者において ICF(国際生活機能分類)の参加制約に当てはまるのはどれか。
  1. 1.片麻痺
  2. 2.失語症
  3. 3.構音障害
  4. 4.歩行障害
  5. 5.職場復帰困難 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 職場復帰困難 ICFの「参加制約」は、実際の社会生活や役割遂行における制限を指します。職場復帰困難は、脳卒中後に仕事という社会的役割を果たせない状態であり、参加レベルの障害です。一方、1~4は身体機能レベルまたは活動レベルの障害であり、参加制約ではありません。 --- 【各選択肢の解説】 1. 片麻痺 ❌ 誤り。片麻痺は身体機能(身体構造)レベルの障害です。脳の損傷による神経学的異常であり、医学モデルの範囲に留まります。 2. 失語症 ❌ 誤り。失語症は言語機能という身体機能レベルの障害です。コミュニケーション能力の低下であり、実際の社会的役割の制限(参加制約)ではありません。 3. 構音障害 ❌ 誤り。構音障害も音声産出という身体機能レベルの障害です。言語・音声表出機能の障害であり、参加制約ではなく活動制限に分類されます。 4. 歩行障害 ❌ 誤り。歩行障害は活動レベルの障害です。「歩く」という基本動作ができない状態であり、参加制約(社会的役割や実生活での制限)とは区別されます。 5. 職場復帰困難 ✅ 正しい。職場復帰困難は「労働者としての役割を果たせない」という参加制約です。身体機能障害があっても、適応や支援によって参加が可能な場合がある一方、職場という社会的環境での役割遂行ができない状態は参加制約に該当します。 --- 【試験対策ポイント】 ICFの3階層構造: | 階層 | 内容 | 例(脳卒中) | |---|---|---| | 身体機能・身体構造レベル | 器官・細胞レベルの障害 | 片麻痺、脳損傷 | | 活動レベル | 個人が行う動作・行為の制限 | 歩行障害、失語症、構音障害 | | 参加レベル | 社会的役割・生活場面での制限 | 職場復帰困難、運転不可、社会復帰困難 | 重要な区別: - 身体機能障害がある ≠ 参加制約がある - 活動制限がある ≠ 参加制約がある - 参加制約=実社会での「役割遂行」や「環境への参加」ができない状態 - 本問では「困難」という表現が参加レベルの指標となっている
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