STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第110問

リハ医学第28回
慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する呼吸リハビリテーションについて誤っているのはどれか。
  1. 1.栄養指導を行う。
  2. 2.胸式呼吸を指導する。 ✓
  3. 3.体位排痰法を指導する。
  4. 4.息切れを聴取しながら行う。
  5. 5.運動耐容能の向上を目標とする。

正答:2番

解説
# 第28回 第110問 解説 ■ 正答:**2番** — 胸式呼吸を指導する。 COPD呼吸リハビリテーションでは、**腹式呼吸(横隔膜を主に利用する呼吸)が基本原則**です。胸式呼吸は効率が悪く、肩や首の補助呼吸筋を過剰に使用するため、息切れを増悪させます。 --- ## 【各選択肢の解説】 **1. 栄養指導を行う。** ✅ 正しい。COPDは**低栄養状態**に陥りやすく、筋肉量の喪失が呼吸筋機能を低下させます。カロリー・タンパク質・微量栄養素の適切な摂取は呼吸筋力維持に不可欠です。また、過栄養により体重増加も避ける必要があります。 **2. 胸式呼吸を指導する。** ❌ **誤り。CODDの呼吸リハビリテーションは腹式呼吸(腹部呼吸)を指導します。** 胸式呼吸は肋間筋や頸部の補助呼吸筋に過度な負荷をかけ、エネルギー消費が増加し、息切れが悪化します。腹式呼吸により横隔膜の効率的な利用を促します。 **3. 体位排痰法を指導する。** ✅ 正しい。CODDは気道内の分泌物が停滞しやすく、呼吸困難の原因となります。体位排痰法(patient positioning)により、重力を利用して分泌物を排出しやすくします。咳嗽を促進する指導も重要です。 **4. 息切れを聴取しながら行う。** ✅ 正しい。呼吸リハビリテーションの安全性確保のため、患者の息切れの程度(Borg Scale等で評価)を監視します。過度な運動負荷で極度の息切れが出現した場合は中断・休止が必要です。 **5. 運動耐容能の向上を目標とする。** ✅ 正しい。呼吸リハビリテーションの主要目標は、**QOLの向上と日常生活活動(ADL)の改善**です。歩行訓練・下肢筋力強化により全身の酸素利用効率を向上させ、息切れに強い体をつくります。 --- ## 【試験対策ポイント】 ### ■ COPD呼吸リハビリテーションの5本柱 1. **腹式呼吸(横隔膜呼吸)の獲得** - 横隔膜はCODP患者では扁平化しており、効率が低い - バイオフィードバック(手を腹部に当てる)で意識化 2. **Pursed Lip Breathing(すぼめ唇呼吸)** - 気道内圧を維持し、呼気時の気道虚脱を防止 - 呼気延長により CO₂ washout を促進 3. **運動訓練** - 下肢の有酸素運動(トレッドミル・エルゴメータ) - 筋力訓練(上肢・体幹を含む) - 段階的漸増式負荷 4. **栄養管理** - 低栄養状態の是正(タンパク質強化) - 過体重の是正(呼吸負荷軽減) - 栄養評価:BMI・血清アルブミン 5. **分泌物管理** - 体位排痰法、自動ドレナージ - 咳嗽訓練 - 必要に応じて吸引・加湿 ### ■ 呼吸の効率性の比較 | 呼吸様式 | 主動筋 | 特徴 | COPD
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