第27回 言語聴覚士国家試験 第110問
リハ医学第27回
機能障害とリハビリテーション治療との組合せで誤っているのはどれか
- 1.痙縮 ― ボツリヌス毒素療法
- 2.片麻痺 ― 義肢療法 ✓
- 3.関節拘縮 ― 関節可動域訓練
- 4.神経障害性疼痛 ― 経皮的電気刺激
- 5.閉塞性換気障害 ― 筋持久力訓練
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 片麻痺 ― 義肢療法
片麻痺は脳卒中などによる運動麻痺であり、治療の中心は理学療法(物理療法・運動療法)と作業療法です。義肢療法は下肢切断者などの「肢体欠損」に対する治療であるため、片麻痺と義肢療法の組み合わせは誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 痙縮 ― ボツリヌス毒素療法
✅ 正しい。痙縮はボツリヌス毒素により神経筋接合部のアセチルコリン放出を阻害し、筋肉の過度な収縮を軽減する標準的な治療法です。脳卒中後遺症における痙縮管理の主要な手段で、理学療法と組み合わせて効果的です。
2. 片麻痺 ― 義肢療法
❌ 誤り。片麻痺は脳損傷による運動機能の喪失であり、患肢は「存在する」が機能しない状態です。義肢療法は下肢切断者など「肢体が欠損している」患者に対するものであり、片麻痺の標準的リハビリテーションではありません。片麻痺には理学療法・運動療法・作業療法が適応です。
3. 関節拘縮 ― 関節可動域訓練
✅ 正しい。関節拘縮(ROM制限)に対して関節可動域(ROM)訓練は基本的かつ重要な治療法です。受動運動から能動的運動へ段階的に進め、ストレッチングと組み合わせることで拘縮改善を促します。
4. 神経障害性疼痛 ― 経皮的電気刺激
✅ 正しい。神経障害性疼痛(CRPS・糖尿病性末梢神経障害など)に対してTENS(経皮的電気神経刺激)は多くのエビデンスがある治療法です。ゲートコントロール説に基づき、非侵襲的な疼痛管理手段として広く使用されます。
5. 閉塞性換気障害 ― 筋持久力訓練
✅ 正しい。COPD等の閉塞性換気障害に対して、呼吸筋の持久力向上と全身耐久性の改善を目的とした筋持久力訓練(運動療法)は標準的リハビリテーション介入です。呼吸リハビリテーション・肺リハビリテーションの重要な要素です。
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【試験対策ポイント】
機能障害の定義と治療の紐付け:
| 機能障害の種類 | 原因構造 | 適応リハ治療 | 対比概念 |
|---|---|---|---|
| 片麻痺 | 肢体が存在するが機能喪失 | 理学療法・運動療法・作業療法 | 義肢療法は不適応 |
| 肢体切断 | 肢体が欠損している | 義肢療法・装具療法 | — |
| 痙縮 | 筋の過度な収縮 | ボツリヌス毒素療法・ストレッチング・運動療法 | — |
| 関節拘縮 | 受動ROM制限 | ROM訓練・ストレッチング・物理療法 | — |
| 神経障害性疼痛 | 神経障害による疼痛 | TENS・薬物療法・心理療法 | — |
| 閉塞性換気障害 | 気道狭窄(COPD等) | 筋持久力訓練・呼吸リハ | — |
重要否定知識:
・「片麻痺に義肢療法」は関係性が成立しない
・義肢=肢体欠損者向け(切断