第27回 言語聴覚士国家試験 第11問
リハ医学第27回
慢性閉塞性肺疾患に対する呼吸リハビリテーションに有効なのはどれか。
- 1.少呼吸
- 2.胸式呼吸
- 3.下顎呼吸
- 4.陥没呼吸
- 5.口すぼめ呼吸 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 口すぼめ呼吸
慢性閉塞性肺疾患(COPD)では気道が閉塞しやすく、呼気時に気道内圧が低下して気道がさらに虚脱します。口すぼめ呼吸は呼気時に口を小さく開けることで気道内圧を高く保ち、気道虚脱を防ぎ、効率的なガス交換を実現するCOPD患者の標準的な呼吸リハビリテーション法です。
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【各選択肢の解説】
1. 少呼吸
❌ 誤り。少呼吸(呼吸数を減らすこと)は、むしろCOPD患者にとって不適切です。呼吸数が少なすぎるとガス交換不十分となり、CO2貯留を招きます。COPD患者には効率的で安定した呼吸パターンが必要ですが、単に「呼吸数を減らす」ことは危険です。
2. 胸式呼吸
❌ 誤り。胸式呼吸では肋間筋が主に働きますが、COPD患者では胸郭の動きが制限されており、胸式呼吸はむしろ呼吸仕事量を増加させます。COPD患者には腹式呼吸(横隔膜呼吸)が推奨されます。
3. 下顎呼吸
❌ 誤り。下顎呼吸は緊急時や呼吸困難時の補助手段の一つですが、COPD患者の標準的な呼吸リハビリテーション法ではありません。また、下顎呼吸は嚥下機能に影響を与える可能性もあります。
4. 陥没呼吸
❌ 誤り。陥没呼吸は胸壁が陥没する異常な呼吸パターンで、呼吸筋の疲労や呼吸効率低下の指標です。これはCOPD患者に対する訓練目標ではなく、むしろ改善対象の症状です。
5. 口すぼめ呼吸
✅ 正しい。口すぼめ呼吸(pursed-lip breathing)は呼気時に唇をすぼめて気道内圧を高く保ち、気道虚脱を防ぎます。これによって呼気時間の延長、呼吸困難の軽減、酸素飽和度の改善が得られ、COPD患者の呼吸リハビリテーションの基本的かつ最も有効な方法です。
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【試験対策ポイント】
COPD患者の呼吸リハビリテーション
| 手法 | 効果 | 機序 | 推奨度 |
|---|---|---|---|
| 口すぼめ呼吸 | ◎ | 気道内圧↑→気道虚脱防止 | 標準治療 |
| 腹式呼吸 | ◎ | 横隔膜活動↑→呼吸効率↑ | 標準治療 |
| 胸式呼吸 | ✗ | 呼吸仕事量↑ | 非推奨 |
| 下顎呼吸 | △ | 補助的手段のみ | 限定的 |
| 少呼吸 | ✗ | CO2貯留リスク | 非推奨 |
キーワード:
- 気道虚脱:COPD患者の中心問題
- 気道内圧:口すぼめで上昇→気道虚脱防止
- Pursed-lip breathing:国際的標準用語
- 横隔膜呼吸:腹式呼吸=最も効率的