第17回 言語聴覚士国家試験 第1問
リハ医学第17回
ICF(国際生活機能分類)の機能障害として適切でないのはどれか
- 1.構音障害
- 2.片麻痺
- 3.半側空間無視
- 4.感覚障害
- 5.歩行障害 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 歩行障害
ICFの「機能障害」(インペアメント)は、身体機能や身体構造の異常を指します。歩行障害は、機能障害(足関節可動域制限など)の結果として生じる「活動制限」(移動能力の低下)であり、機能障害そのものではありません。つまり、歩行能力の低下は身体機能の障害ではなく、その障害による機能的な困難です。
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【各選択肢の解説】
1. 構音障害
✅ 正しい。音韻体系の異常、音響特性の変化など、構音機能そのものの障害は機能障害に該当します。言語枢纽や末梢神経の障害による音声・音韻機能の低下を直接指します。
2. 片麻痺
✅ 正しい。一側の上肢・下肢の筋力低下・筋緊張異常であり、神経系機能の障害です。身体構造(脳損傷)による明確な機能低下であるため、機能障害に該当します。
3. 半側空間無視
✅ 正しい。視空間認知機能の障害であり、高次脳機能(知覚・認知)の異常です。右頭頂葉損傷などによる脳機能の低下そのものが機能障害に分類されます。
4. 感覚障害
✅ 正しい。温痛覚・位置覚・振動覚などの感覚機能の異常は、末梢神経や脳機能の障害による身体機能の低下です。機能障害の典型例です。
5. 歩行障害
❌ 誤り。歩行障害は機能障害ではなく「活動制限」です。歩くという動作能力の低下であり、その原因となる機能障害(例:下肢筋力低下、小脳失調、バランス能力低下など)とは区別されます。
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【試験対策ポイント】
ICF(国際生活機能分類)の3階層構造
| レベル | 定義 | 例 |
|---|---|---|
| 機能障害(インペアメント) | 身体機能・身体構造の異常 | 筋力低下、麻痺、失語、認知障害、感覚障害 |
| 活動制限(ディスアビリティ) | 日常生活動作能力の困難 | 歩行困難、セルフケア困難、コミュニケーション困難 |
| 参加制約(ハンディキャップ) | 社会的役割の制限 | 就労困難、学校生活困難、社会交流制限 |
キーワード:機能障害は「身体機能」の異常。歩行障害は「能力」の低下
紛らわしい理由:歩行に関連する機能障害(脚力低下・失調・麻痺)と、その結果としての「歩行困難」を混同しやすい