STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第1問

リハ医学第18回
ICF(国際生活機能分類)の説明で正しいのはどれか。
  1. 1.すべての人に関する分類である。 ✓
  2. 2.ICD(国際疾病分類)の後継分類として作成された。
  3. 3.活動の否定的側面は機能障害である。
  4. 4.活動とは、生活・人生場面への関わりのことである。
  5. 5.背景因子は、主観的満足度と価値観とで構成される。

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — すべての人に関する分類である。 ICFは「誰にでも適用できる」汎用分類です。病気や障害の有無を問わず、全人口に対して「健康状態」「機能」「活動」「参加」の状態を評価・分類することが特徴です。他の選択肢は概念的な誤解や、ICFとICDの関係性の混同を含んでいます。 --- 【各選択肢の解説】 1. すべての人に関する分類である。 ✅ 正しい。ICFは生物医学モデル(障害者のみを対象)ではなく、社会モデルに基づいており、障害の有無、年齢、性別に関わらず全人類に対して「健康関連生活機能」を分類する汎用的な枠組みです。健常者も、患者も同じ分類軸で評価できることがICFの革新的な側面です。 2. ICD(国際疾病分類)の後継分類として作成された。 ❌ 誤り。ICDとICFは「継承関係」ではなく「補完関係」です。ICDは「疾病・傷害」を分類し、ICFは「生活機能」(身体機能・活動・参加)を分類します。2つは並行して運用される相互補完的な分類であり、ICFはICDの後継ではありません。 3. 活動の否定的側面は機能障害である。 ❌ 誤り。用語の混同です。「機能障害」は「身体機能・構造の障害」に分類され、「活動制限」は「活動レベルの障害」です。活動の否定的側面は「活動制限」(activity limitation)です。機能障害と活動制限は異なるICFの構成要素です。 4. 活動とは、生活・人生場面への関わりのことである。 ❌ 誤り。ICFの用語定義の誤りです。「活動」は「個人が行う課題や行為」(例:移動、コミュニケーション、食事)です。「生活・人生場面への関わり」は「参加」(participation)の定義です。混同しやすい試験ポイントです。 5. 背景因子は、主観的満足度と価値観とで構成される。 ❌ 誤り。背景因子(環境因子・個人因子)は「主観的評価」ではなく、「客観的環境」(物理的環境・社会的環境・支援制度)と「個人の属性」(年齢・性別・生活経歴)です。「満足度と価値観」はQOL評価など別の概念です。 --- 【試験対策ポイント】 ICFの階層構造 | 構成要素 | 説明 | 例 | |---|---|---| | 健康状態 | 疾病・傷害 | 脳卒中、聴覚障害 | | 身体機能・構造 | 臓器・組織レベルの障害 | 言語中枢損傷 | | 活動 | 個人が行う課題・行為 | 会話、食事、移動 | | 参加 | 生活・社会場面への関わり | 仕事復帰、社会交流 | | 環境因子 | 物理的・社会的環境 | 福祉制度、支援者 | | 個人因子 | 個人の属性 | 年齢、性格、教育歴 | 重要な否定知識: - ICFは「障害者分類」ではなく「全人口の機能分類」 - ICDと同時併用される(ICD-10-CM/WHO-FIC協調) - 「活動」と「参加」の区別:本試験で頻出の混同ポイント - 背景因子は「客観的環境」「個人属性」であり「主観的評価」ではない
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