第19回 言語聴覚士国家試験 第24問
神経系第19回
1部位の損傷で同名性半盲が起こらないのはどれか。
- 1.視 索
- 2.外側膝状体
- 3.視神経 ✓
- 4.視放線
- 5.一次視覚皮質
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 視神経
同名性半盲は「視覚経路の後ろ側」(外側膝状体より後方)で起こる特徴的な症状です。視神経は左右の眼からの情報を別々に伝える構造であり、視神経が損傷しても「同じ側の視野欠損」(同名性ではなく同側性)となるため、同名性半盲は生じません。同名性半盲が発生するのは「視情報が統合された視路」でのみです。
---
【各選択肢の解説】
1. 視索
✅ 正しい。視索で部分損傷が起こると、損傷側と反対側の外側視野が両眼で欠損します。例えば右視索が損傷すると「左側同名性半盲」が生じます。
2. 外側膝状体
✅ 正しい。外側膝状体はLGN(視覚中継核)であり、視索からの線維を受け取ります。この部位の損傷でも同名性半盲が発生します。
3. 視神経
❌ 誤り。視神経は各眼から脳へ向かう最初の部分であり、左右の眼からの情報がまだ混在していません。視神経が損傷すると「同側視神経が支配する眼の全体視野欠損」(同側性欠損)となり、同名性半盲は生じません。
4. 視放線
✅ 正しい。視放線(視覚放線)はLGNから一次視覚皮質へ向かう投射線維です。この部位の損傷でも同名性半盲が発生します。
5. 一次視覚皮質
✅ 正しい。一次視覚皮質(Brodmann 17野)の損傷は同名性半盲の最典型例です。中心部保存同名性半盲などが生じます。
---
【試験対策ポイント】
【視覚経路と視野欠損パターン】
| 損傷部位 | 視野欠損パターン | 同名性半盲の有無 |
|---|---|---|
| 視神経 | 同側全体欠損 | ❌ なし |
| 視索(部分) | 反対側外側半盲 | ✅ あり |
| 視索(全体) | 反対側全体欠損 | ✅ あり |
| LGN(外側膝状体) | 反対側同名性半盲 | ✅ あり |
| 視放線(上部) | 反対側下部同名性半盲 | ✅ あり |
| 視放線(下部) | 反対側上部同名性半盲 | ✅ あり |
| 一次視覚皮質 | 反対側同名性半盲 | ✅ あり |
【重要キーワード】
- 同名性半盲=「両眼の同じ側の視野」が欠損(視交叉後の障害の証拠)
- 同側性欠損=「片眼のみ」または「同じ側」の視野欠損(視交叉前の障害)
- 同名性半盲が生じるのは「視交叉以降」の視路(視索・LGN以降)
- 視神経は「視交叉前」→左右の眼の情報がまだ統合されていない
【鑑別の核心】
視神経が選択肢に含まれる問題は高確率で誤答選択肢です。「同名性(両眼同じ側)」という症状が起こるには、左右の情報が混合される「視交叉以降」の損傷が必須条件です。視神経単独損傷では絶対に同名性半盲は起こりません。