第27回 言語聴覚士国家試験 第122問
神経系第27回
上位運動ニューロンが両側性に支配するのはどれか
- 1.眼輪筋
- 2.ロ輪筋
- 3.咽頭筋 ✓
- 4.舌筋
- 5.上腕二頭筋
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 咽頭筋
咽頭筋は両側の上位運動ニューロン(皮質延髄路)から支配を受けるため、一側の脳卒中による片麻痺でも咽頭筋の機能は保持されます。これが嚥下機能が比較的温存される理由です。一方、眼輪筋・口輪筋・舌筋などの顔面・舌の筋肉は主に対側の支配を受けるため、片麻痺時に顕著な障害が生じます。
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【各選択肢の解説】
1. 眼輪筋
❌ 誤り。顔面筋の大部分と同様に、眼輪筋は対側の皮質から支配を受けます(顔面神経核は対側性支配が優位)。片麻痺では患側の眼輪筋が弱化し、片眼が閉じられなくなります。
2. 口輪筋
❌ 誤り。口輪筋は顔面筋であり、対側の上位運動ニューロンからの支配が主体です。片麻痺患者では患側の口が開きやすくなる(口角下垂)ため、神経学的診察の重要なサイン。
3. 咽頭筋
✅ 正しい。咽頭筋は両側性支配を受けるため、一側の脳損傷では麻痺が生じにくいです。この両側性支配は嚥下のような生命維持機能を保証するための進化的適応と考えられます。
4. 舌筋
❌ 誤り。舌は対側の皮質から支配を受けます(舌下神経核は対側性支配)。片麻痺では舌が患側へ偏位し、患側の舌の筋力低下を認めます。構音障害の重要な所見。
5. 上腕二頭筋
❌ 誤り。四肢筋はすべて対側性支配です。上腕二頭筋も対側の運動皮質からの支配を受けるため、片麻痺で患側上肢の筋力低下が生じます。
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【試験対策ポイント】
両側性vs対側性支配の整理:
| 筋肉 | 支配性 | 片麻痺での影響 |
|---|---|---|
| 咽頭筋 | 両側性 | なし(温存) |
| 舌筋 | 対側性 | 患側へ偏位 |
| 顔面筋(眼輪筋・口輪筋) | 対側性 | 患側表情筋麻痺 |
| 四肢筋 | 対側性 | 患側脱力 |
頻出のポイント:「咽頭筋の両側性支配=嚥下機能は片麻痺でも比較的温存」この知識は失語症・構音障害・嚥下機能評価の問題でも繰り返し出現します。片麻痺患者で嚥下障害が軽度な理由を説明できることが重要。