第19回 言語聴覚士国家試験 第39問
音声学第19回
共通語(東京方言)について誤っている のはどれか。
- 1.「雨」と「飴」では基本周波数の時間変化パターンが異なる。
- 2.「これは魚。」と「これは魚?」では基本周波数の時間変化パターンが異なる。
- 3.「型」に比べ「買った」では語中の破裂音の閉鎖区間長が長くなる。
- 4.発話速度が速くなると発話全体の持続時間が短くなる。
- 5.「たまねぎ」では2モーラめの母音のピッチが下がる。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 「たまねぎ」では2モーラめの母音のピッチが下がる。
共通語のピッチアクセントは「0型(平板)」「1型(頭高)」「2型(肩高)」など型で分類されます。「たまねぎ」は0型(平板型)で、全モーラを通じてピッチがほぼ同じレベルで保たれます。したがって2モーラめのピッチが「下がる」という説明は誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 「雨」と「飴」では基本周波数の時間変化パターンが異なる。
✅ 正しい。「雨」(あめ)は「1型(頭高)」で1モーラめが高く2モーラめが低くなります。一方「飴」(あめ)は「0型(平板)」でピッチが平坦です。基本周波数の時間変化パターンが異なるため、聴覚的に区別できます。
2. 「これは魚。」と「これは魚?」では基本周波数の時間変化パターンが異なる。
✅ 正しい。「。」で終わる平叙文は文末のピッチが低下し、「?」で終わる疑問文は文末のピッチが上昇する傾向があります。この文末イントネーション変化により基本周波数の時間変化パターンが異なります。
3. 「型」に比べ「買った」では語中の破裂音の閉鎖区間長が長くなる。
✅ 正しい。「型」(かた)は単語で「カ」は語頭の破裂音で短い閉鎖区間を持ちます。一方「買った」(かった)の「カ」は促音を含む構造で、後続の促音の影響を受け閉鎖区間が長くなります。
4. 発話速度が速くなると発話全体の持続時間が短くなる。
✅ 正しい。発話速度と持続時間は逆相関の関係です。速い発話は、各音節や音の持続時間が短縮されるため、発話全体の持続時間が短くなります。これは音声生成の基本的な特性です。
5. 「たまねぎ」では2モーラめの母音のピッチが下がる。
❌ 誤り。「たまねぎ」は0型(平板型)のアクセントを持ち、全モーラにわたってピッチがほぼ同じレベルで保たれます。2モーラめのピッチが「下がる」ことはなく、むしろ平坦に保たれるのが特徴です。
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【試験対策ポイント】
共通語アクセント型の基本
| アクセント型 | ピッチパターン | 具体例 |
|---|---|---|
| 0型(平板) | 1モーラめ以降ずっと低い/全体平坦 | ねこ(0型)、たまねぎ(0型) |
| 1型(頭高) | 1モーラめが高く、2モーラめから低い | あめ(雨)、さくら |
| 2型(肩高) | 1モーラめが低く、2モーラめが高く、3モーラめから低い | あめ(飴)、うどん |
| 3型以上 | 各型でピッチ頂点の位置が異なる | (複数モーラ語) |
音声学の頻出キーワード
- 基本周波数(F0):声帯振動の周波数。ピッチ知覚と対応
- イントネーション:文末のピッチ変化(文の機能・意図を表現)
- 平叙文:文末ピッチ低下
- 疑問文:文末ピッチ上昇
- 閉鎖区間長:破裂音の閉鎖からの解放までの時間
- 促