第19回 言語聴覚士国家試験 第42問
聴覚心理学第19回
聴覚心理学的に純音の聞こえについて誤っているのはどれか。
- 1.音圧の異なる2つの音の大きさが等しいことがある。
- 2.同じ周波数でも音圧が変わると音の高さが変わることがある。
- 3.同じ周波数でも音圧によって聞こえないことがある。
- 4.同じ音圧でも周波数によって聞こえないことがある。
- 5.同じ音圧で周波数が高くなると音の高さが低くなることがある。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 同じ音圧で周波数が高くなると音の高さが低くなることがある。
周波数が高くなれば、聴覚心理学的には「音の高さ」は高くなります。音圧が同じであっても、周波数と音の高さの関係は不変であり、周波数が高くなって音の高さが低くなることは起こりません。5番は聴覚心理学の基本原則に矛盾しています。
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【各選択肢の解説】
1. 音圧の異なる2つの音の大きさが等しいことがある。
✅ 正しい。等ラウドネス曲線(Fletcher-Munsonの等感覚曲線)により、異なる音圧の音でも、周波数によっては同じ大きさに聞こえることが実証されています。特に低周波数では、同じ大きさに聞こえるために必要な音圧が周波数によって大きく異なります。
2. 同じ周波数でも音圧が変わると音の高さが変わることがある。
✅ 正しい。Stuartsonの実験により、音圧の変化に伴い、音の高さが変化する現象が報告されています。特に低周波数(500Hz以下)では顕著です。これはラウドネス効果(loudness effect)として知られています。
3. 同じ周波数でも音圧によって聞こえないことがある。
✅ 正しい。可聴域には下限(静寂閾)と上限(不快感覚閾)があります。同じ周波数でも音圧が静寂閾より小さければ聞こえず、不快感覚閾を超えれば痛みになります。例えば、100Hzの低周波音は非常に高い音圧が必要です。
4. 同じ音圧でも周波数によって聞こえないことがある。
✅ 正しい。聴覚の周波数特性により、人間の可聴域は20Hz~20,000Hzとされています。同じ音圧でも可聴域外の周波数(超音波や超低周波音)は聞こえません。また、可聴域内でも周波数によって感度が異なり、中周波数(1,000~4,000Hz)が最も感度が高いとされています。
5. 同じ音圧で周波数が高くなると音の高さが低くなることがある。
❌ 誤り。周波数と音の高さは正の相関関係にあります。周波数が高くなれば音の高さは高くなり、低くなることはありません。この命題は聴覚心理学の基本原則に反しています。
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【試験対策ポイント】
周波数と音圧の関係性(聴覚心理学の基本)
| 概念 | 周波数の役割 | 音圧の役割 | 相互作用 |
|---|---|---|---|
| 音の高さ(ピッチ) | 周波数が主決定因子 | 若干の影響あり(ラウドネス効果) | 周波数↑⇒高さ↑(必ず) |
| 音の大きさ(ラウドネス) | 周波数により感度が異なる | 音圧が主決定因子 | 周波数によって必要な音圧が異なる |
| 聞こえ可能性 | 可聴周波数20Hz~20kHz | 静寂閾と不快感覚閾 | 周波数と音圧の組み合わせで決定 |
重要な聴覚心理学現象
- 等ラウドネス曲線:同じ大きさに聞こえるための周波数と音圧の関係を示す曲線
- ラウドネス効果:音圧が変わると音の高さが変わる現象(特に低周波で顕著)
- 周波数弁別能:1,000Hz付近が最も優れている
- 音圧と高さの関係:通常は無