第21回 言語聴覚士国家試験 第136問
音声学第21回
子音の高音について誤っているのはどれか。
- 1.[ts]では摩擦が生じる。
- 2.[m]では口唇が閉鎖し、鼻咽腔が開放される。
- 3.[j]ではわたりがみられる。
- 4.[p]では破裂の前に声帯振動が開始する。 ✓
- 5.[h]では声道の形状が皇族の母音に依存する。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — [p]では破裂の前に声帯振動が開始する。
[p]は無声破裂音であり、声帯は振動しません。破裂の前に声帯振動が開始するという記述は誤りです。無声音は声帯を開いた状態で呼気のみで産生され、有声音とは異なります。
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【各選択肢の解説】
1. [ts]では摩擦が生じる。
✅ 正しい。[ts]は破擦音(破裂+摩擦)であり、破裂の後に舌と歯茎の間で摩擦が生じます。
2. [m]では口唇が閉鎖し、鼻咽腔が開放される。
✅ 正しい。[m]は鼻音であり、両唇を完全に閉鎖しながら軟口蓋が下がって鼻腔への通路が開放されます。これにより呼気が鼻から抜けます。
3. [j]ではわたりがみられる。
✅ 正しい。[j](ヤ行音)は接近音であり、舌が硬口蓋に接近した状態で空気が側方から流出する「わたり」の特徴を示します。
4. [p]では破裂の前に声帯振動が開始する。
❌ 誤り。[p]は無声破裂音であり、声帯は全く振動しません。無声音は声帯を開いた状態で呼気のみで産生されます。有声破裂音[b]と混同しやすい誤りです。
5. [h]では声道の形状が皇族の母音に依存する。
✅ 正しい。[h]は後続する母音に音色が左右される音であり、例えば[ha][hi][hu]では異なる音響特性を示します。「皇族→後続」の誤字と思われますが、意図は正確です。
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【試験対策ポイント】
子音の分類と特徴:
| 特徴 | 例 | 重要ポイント |
|---|---|---|
| 破裂音 | [p][b][t][d][k][g] | 破裂のみ。[p]は無声=声帯振動なし |
| 破擦音 | [ts][dz][tʃ][dʒ] | 破裂+摩擦を伴う |
| 摩擦音 | [f][v][s][z][h] | 連続した摩擦 |
| 鼻音 | [m][n][ŋ] | 口腔閉鎖+鼻咽腔開放 |
| 接近音 | [j][w] | わたり=側方漏出 |
無声音vs有声音の本質:
- 無声:声帯開放状態→呼気のみで音産生([p][t][k][f][s][h]等)
- 有声:声帯振動→周期的閉鎖→呼気変調([b][d][g][v][z][m]等)
[h]の特殊性:
- 後続母音への依存が大きい
- 音響的には先行母音に近い特性を示す