STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第22回 言語聴覚士国家試験 第36問

音声学第22回
国際音声記号(IPA)でふるえ音はどれか。 a. [b] b. [ʙ] c. [r] d. [ɸ] e. [ɾ] 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:3番

解説
# 第22回 第36問 解説 ■ 正答:3番 — b.[ʙ]、c.[r] ふるえ音(trill)は、調音器官が呼気流によって受動的に周期的に振動して産生される音です。IPAでは**[ʙ](両唇ふるえ音)**と**[r](歯茎ふるえ音)**が代表的なふるえ音として分類されます。日本語にはふるえ音は存在せず、スペイン語・イタリア語・ロシア語などの巻き舌の「r」が[r]に該当します。 --- 【各選択肢の解説】 a. [b] ❌ 誤り。**両唇破裂音(有声)**です。両唇を完全に閉鎖してから開放することで産生される破裂音であり、ふるえ音ではありません。日本語の「ば行」に該当します。 b. [ʙ] ✅ 正しい。**両唇ふるえ音**です。両唇を呼気流で振動させて産生する音で、ふるえ音に分類されます。日本語にはない音です。 c. [r] ✅ 正しい。**歯茎ふるえ音**です。舌尖を歯茎に近づけ、呼気流によって周期的に振動させて産生されます。スペイン語の巻き舌の「rr」が代表例です。 d. [ɸ] ❌ 誤り。**無声両唇摩擦音**です。両唇を狭めて呼気で摩擦を起こす音で、日本語の「ふ」[ɸɯ]に該当します。摩擦音であり、ふるえ音ではありません。 e. [ɾ] ❌ 誤り。**歯茎弾き音(tap/flap)**です。舌尖が歯茎を1回だけ叩く音であり、複数回振動するふるえ音とは区別されます。日本語の「ラ行」音はこの[ɾ]で実現されます。 --- 【試験対策ポイント】 **ふるえ音と弾き音の区別はST国試頻出**です。振動の回数で明確に区別しましょう。 | 調音方法 | IPA記号 | 特徴 | 言語例 | |---|---|---|---| | **ふるえ音(trill)** | [ʙ][r][ʀ] | 複数回の周期的振動 | スペイン語rr、フランス語r | | **弾き音(tap/flap)** | [ɾ][ɽ] | 1回のみの接触 | **日本語のラ行** | | 破裂音 | [b][p][t][k] | 閉鎖→開放 | 日本語バ行・パ行 | | 摩擦音 | [ɸ][s][ʃ][h] | 狭めて摩擦 | 日本語のフ[ɸ] | 【紛らわしい記号の整理】 - **[r](ふるえ音)と[ɾ](弾き音)は別の音**:英語の「r」音は実際には接近音[ɹ]であり、IPAの[r]ではない点に注意 - **[b](破裂音)と[ʙ](ふるえ音)は字形が似ているが別物**:大文字小文字のような形だが、[ʙ]は小型大文字でふるえ音を表す - 日本語のラ行は**ふるえ音ではなく弾き音[ɾ]**である点も頻出
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