STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第77問

音声障害第23回
喉頭癌で喉頭全摘出術を受けた患者に勧めないのはどれか。
  1. 1.入浴
  2. 2.水泳 ✓
  3. 3.散歩
  4. 4.会話
  5. 5.外食

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 水泳 喉頭全摘出術後は気管孔(永続的ストーマ)が形成されるため、気管孔から直接気道に水が入る危険性があります。水泳は気管孔への水の流入を完全に防ぐことが困難であり、誤吸・肺炎のリスクが最も高いため、勧めません。 --- 【各選択肢の解説】 1. 入浴 ✅ 正しい。入浴時は気管孔にシャワーが直接当たらないよう注意することで対応可能です。浴槽内でも気管孔より上の水位に制限すれば安全です。 2. 水泳 ❌ 勧めない。気管孔が常に水に浸る状態となり、気管孔から水が直接気道に入るリスクが極めて高い。完全な防水は困難で、誤吸による肺炎の危険性が最も大きいです。 3. 散歩 ✅ 正しい。散歩は全身運動として推奨される活動です。気管孔を保護する胸部用の防水パッドやストーマシールの使用により安全に行えます。 4. 会話 ✅ 正しい。喉頭全摘出後は音声機能を失いますが、食道音声・人工喉頭・気管食道瘻音声などの音声再建法により会話は可能です。リハビリテーションとしても推奨されます。 5. 外食 ✅ 正しい。嚥下機能は通常保持されているため外食は可能です。気管孔の感染防止に注意し、周囲の理解を得ることが重要です。 --- 【試験対策ポイント】 喉頭全摘出術後の生活制限: | 活動 | 可否 | 対策・注意点 | |---|---|---| | 入浴・シャワー | 可 | 気管孔にシャワーが当たらないようにする。浴槽は気管孔より下の水位に制限 | | 水泳 | 不可 | 気管孔が常に水に浸る状態。完全な防水が困難で誤吸リスク高 | | 散歩・運動 | 可 | 気管孔を防水パッドで保護。運動療法として奨励 | | 会話 | 可 | 音声再建法(食道音声・人工喉頭など)により回復 | | 外食 | 可 | 嚥下機能は保持。周囲の理解が必要 | | 運転 | 可 | 基本的に可能(聴覚に障害なければ) | 気管孔の管理: - 常に清潔に保つ(感染防止) - 気管孔からの異物混入を防ぐ(水・ほこり・食物) - シャワーキャップやストーマシールで保護 - 気管孔の縮小予防のため定期的な拡張が必要な場合あり 音声再建法の種類: - 食道音声:訓練期間長いが自然な音 - 人工喉頭(電動式):習得が比較的容易 - 気管食道瘻音声(TEP):音質が良好 紛らわしい論点: 「気管切開術」と「喉頭全摘出術」は異なります。気管切開術は気管孔を形成しますが、喉頭は温存されるため音声は保持されます。一方、喉頭全摘出術は喉頭そのものを摘出するため、音声再建が必須です。
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