第28回 言語聴覚士国家試験 第174問
音声障害第28回
音声障害診療ガイドライン(2018年版)の音声障害分類表の中で、「その他の音声障害」に分類されないのはどれか。
- 1.変声障害
- 2.仮声帯発声
- 3.心因性発声障害 ✓
- 4.奇異性声帯運動
- 5.筋緊張性発声障害
正答:3番
解説
# 第28回 第174問 解説
■ 正答:3番 — 心因性発声障害
心因性発声障害は音声障害診療ガイドライン(2018年版)の分類体系では「その他の音声障害」に分類されるのではなく、**「機能性音声障害」の一つ**として独立した分類体系内で位置づけられています。つまり、心因性発声障害は「その他」ではなく、むしろ重要な一つのカテゴリーを構成しており、変声障害や筋緊張性発声障害など他の機能性音声障害と同列で扱われます。
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【各選択肢の解説】
1. 変声障害
❌ 「その他の音声障害」に分類される。思春期前後での音声変化に対応できず、児童音声が持続するなど、器質的な喉頭構造には異常がない機能性障害。男児に多い。
2. 仮声帯発声
❌ 「その他の音声障害」に分類される。仮声帯(偽声帯)が過度に内転して音声を生成する異常発声。声帯の器質的疾患や神経筋障害がない状況で起こる機能性音声障害。
3. 心因性発声障害
✅ **正しい。** 心因性発声障害(心因性失声症含む)は「機能性音声障害」として、「その他の音声障害」とは別の独立した分類に位置づけられている。心理的ストレス・トラウマ・不安が関連し、器質的異常がないにもかかわらず発声困難や無音声を呈する。
4. 奇異性声帯運動
❌ 「その他の音声障害」に分類される。声帯が不随意に不規則な運動を行う異常音声。器質的疾患ではなく神経生理学的な機能障害である。痙攣性発声障害と区別される。
5. 筋緊張性発声障害
❌ 「その他の音声障害」に分類される。喉頭周囲の筋群(内喉頭筋・喉頭外筋)の過度な緊張により音声が障害される機能性音声障害。器質的な喉頭病変がない。
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【試験対策ポイント】
音声障害診療ガイドライン(2018年版)の**分類体系の理解が頻出**です。ガイドラインでは以下のような大分類が示されています:
**機能性音声障害 vs. 器質性音声障害**
- **機能性音声障害**
- **心因性発声障害**(心理的要因が中心)
- **その他の音声障害**(変声障害・仮声帯発声・筋緊張性発声障害・奇異性声帯運動)
- **器質性音声障害**
- ポリープ・結節・溝状声帯・声帯萎縮・反回神経麻痺など
**重要:「心因性発声障害」が独立していることの意味**
- 他の「その他」の音声障害と異なり、**心理社会的評価と診断が必須**である
- 精神心理的サポート・心理療法が治療の中心になる
- 器質的原因のない音声障害の中でも、明確に「心因性」と診断できるかどうかが臨床判断のポイント
**実臨床との関連**
- 心因性発声障害は診断が難しく、まず器質的・神経学的原因を除外することが重要
- 他の機能性音声障害(変声障害や筋緊張性発声障害)は**療法士による音声訓練が主体**であるのに対し、心因性発声障害では**心理的背景への対応**が優先される
このガイドラインの分類体系は**国試で繰り返し出題**される重要知識です。